癌との共存を目指しています。
今日は、抗癌剤の至適用量について思う所を少し。

僕が、以前、投与されていたFOLFOXに含まれるオキサリプラチンは、体表面積1m2当たり85mg/回だったと思う。これは、「この量で行われた比較試験で効果があった、だから、この量で行きますよ。」という意味である。

ただ、患者には生活があるので(FOLFOXを外来で投与するというのは、そう言う事だろう)、電車に乗っている時に立っていられない位、しんどい、だとか、外出も出来ない、だとか、と言うのは、本当は、まずい、と思う。

とある病院は、外来で化学療法を受ける患者さんに「車を運転して来ないように。」と指導していると聞いた事があるが、それなら、投与後は、電車で帰れる位の状態であるべきだろう。

化学療法を通院で行いたい、というのは、厚生労働省の意向だと、僕は理解している。(その方が、医療費が掛からない。)

また、比較試験で出た結果通りの投与量で投与したい、というのは、医者の意向だろう。根拠なく、少ない目の量を投与して、効きが悪かったら、「なんで、そんな事、したんや。」と言われた時、返す言葉がない。

しかし、患者としては、ふらふらで外出も出来ないような日が何日も続くようでは、困る。例えば、転居の際、本人が出向かないと手続きが進まない事がある。こちら(大阪府)に戻って来た時、それで、結構、困った。

ここからは、僕の価値観だが、抗癌剤治療は、本来、患者のために行っている物だから、国が貧乏で、入院出来ないと言うのであれば、自宅で生活出来るような量で、投与を行っていくのが筋だろう。少なくとも、患者の判断力が失われない程度にコントロールするべきだろう。(余りに、しんどいと、何もかも、どうでも良くなる。)

自戒を込めて(僕もエビデンスに囚われた診療を結構、してしまう)、記事にまとめた。

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【2011/05/19 00:27】 | 思ったこと
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抗がん剤の量について
Sho
臨床試験に基づいた抗がん剤投与について誤解が多いのは、初回投与量は基本守るべきでも、2回目以降は本人に自覚症状により減量を推奨していることです。つまりgrade3(重度の)全身倦怠感があると考えられた場合はレベル-1減量することになっており、そのほかにも担当医の判断によって減量することも常識になっています。問題は患者さん側が減量希望を担当医に相談しないことで、それは今の体調や腫瘍の状況を加味した上でないとうまくいきません。
初回投与量にこだわることになってきたのはガイドラインなどの普及による良い面ですが、減量についてのノウハウは未だ普及が不十分です。むしろ患者さん側が主治医を突き上げるべきでしょう。
臨床試験も試験治療中止の理由として有害事象を伴わない患者拒否項目が思いの外多いのですが、ようは嫌気がさしてやめるわけです。
単なる身体的副作用の重症度よりそれにより間接的な医療意欲の低下に対しては臨床試験以上に実臨床では十分な対策が練られておられないと思います。
つまり日常生活を犠牲にしてまで減量しない価値のある治癒可能な抗がん剤治療が固形がんに関してはほとんどないのです。

とても得るところの多いコメントでした。有難うございます。
のっぽ187
Shoさん

>2回目以降は本人に自覚症状により減量を推奨していることです。

推奨しているのですね。知らなかったです。(僕が不勉強なだけですが。)

>問題は患者さん側が減量希望を担当医に相談しないことで、それは今の体調や腫瘍の状況を加味した上でないとうまくいきません。

休職して、患者としてのみ過ごしていた2008年(FOLFOXを受けていた頃)、主治医に、食事が十分、取れない事、下痢が酷い事を、繰り返し伝えていたのですが、主治医は、なるべく、その時の量を保ちたい(減量したくない)と思っているように見えました。

ただ、最近、患者さんに「しんどい。集中出来ない。」と言われ(しんどいのは、ハロペリドールの副作用か幻聴のせいなのか、はっきりしない)、「鬱陶しいなあ。」と思い(口には出さなかったけれど、そんな顔をしていたと思います)、「じゃあ、(ハロペリドールの量、)どうされますか。」などと意地悪な事を言ってしまいました。(ハロペリドールの副作用なら、量を減らすべきだし、幻聴でしんどいのなら、量を増やすべきでした。)

治療が上手く行かないと、患者さんは何も悪くないのに、つい嫌な顔をしてしまう。ふと、3年前の事を思い出し、複雑な気分になりました。

>臨床試験も試験治療中止の理由として有害事象を伴わない患者拒否項目が思いの外多いのですが

悲しい事ですね。

>つまり日常生活を犠牲にしてまで減量しない価値のある治癒可能な抗がん剤治療が固形がんに関してはほとんどないのです。

プロにそう言われて、正直、ほっとしました。

FOLFOXのしんどさは、常軌を逸していたと思うのですが、比較試験が、この量で行われている事から、「僕が特に副作用が出易いのか。」などと、当時、あれこれと考えていました。

ごぶさたしています
緑緑*ryuryu
以前副作用がひどいと訴えたら「減薬する?」「でもそうすると効果がねぇ」と言われて怖くてできなかったことがあります。
最もFOLFOXは私は2回目から減薬していたのですが。

今回はもう最初から減薬スタートです。
とは言えあいかわらず数日ダウンしているので、もっと減らしてもいいのかなぁ………

>治療が上手く行かないと、患者さんは何も悪くないのに、つい嫌な顔をしてしまう。

やはり先生の方もそうですよね。
悪い検査結果が出たときに、主治医に「がっかり」という顔をされてしまい、あぁ……と申し訳なく思ってしまいました。

こちらこそ、ご無沙汰しています。
のっぽ187
緑緑*ryuryuさん

こちらこそ、ご無沙汰しています。

>以前副作用がひどいと訴えたら「減薬する?」「でもそうすると効果がねぇ」と言われて怖くてできなかったことがあります。

僕も、減らすと、効果が落ちる、と主治医に言われた事があります。

これは、当然の事なのですが、よく考えてみると、「基本的な設定自体に無理があるのではないか。」と思うようになりました。

>悪い検査結果が出たときに、主治医に「がっかり」という顔をされてしまい、あぁ……と申し訳なく思ってしまいました。

緑緑*ryuryuさん、いい人ですね。

(僕が診ている)患者さんも、そう思っているのかな。

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抗がん剤の量について
臨床試験に基づいた抗がん剤投与について誤解が多いのは、初回投与量は基本守るべきでも、2回目以降は本人に自覚症状により減量を推奨していることです。つまりgrade3(重度の)全身倦怠感があると考えられた場合はレベル-1減量することになっており、そのほかにも担当医の判断によって減量することも常識になっています。問題は患者さん側が減量希望を担当医に相談しないことで、それは今の体調や腫瘍の状況を加味した上でないとうまくいきません。
初回投与量にこだわることになってきたのはガイドラインなどの普及による良い面ですが、減量についてのノウハウは未だ普及が不十分です。むしろ患者さん側が主治医を突き上げるべきでしょう。
臨床試験も試験治療中止の理由として有害事象を伴わない患者拒否項目が思いの外多いのですが、ようは嫌気がさしてやめるわけです。
単なる身体的副作用の重症度よりそれにより間接的な医療意欲の低下に対しては臨床試験以上に実臨床では十分な対策が練られておられないと思います。
つまり日常生活を犠牲にしてまで減量しない価値のある治癒可能な抗がん剤治療が固形がんに関してはほとんどないのです。
2011/05/25(Wed) 08:03 | URL  | Sho #VPEwuVs.[ 編集]
とても得るところの多いコメントでした。有難うございます。
Shoさん

>2回目以降は本人に自覚症状により減量を推奨していることです。

推奨しているのですね。知らなかったです。(僕が不勉強なだけですが。)

>問題は患者さん側が減量希望を担当医に相談しないことで、それは今の体調や腫瘍の状況を加味した上でないとうまくいきません。

休職して、患者としてのみ過ごしていた2008年(FOLFOXを受けていた頃)、主治医に、食事が十分、取れない事、下痢が酷い事を、繰り返し伝えていたのですが、主治医は、なるべく、その時の量を保ちたい(減量したくない)と思っているように見えました。

ただ、最近、患者さんに「しんどい。集中出来ない。」と言われ(しんどいのは、ハロペリドールの副作用か幻聴のせいなのか、はっきりしない)、「鬱陶しいなあ。」と思い(口には出さなかったけれど、そんな顔をしていたと思います)、「じゃあ、(ハロペリドールの量、)どうされますか。」などと意地悪な事を言ってしまいました。(ハロペリドールの副作用なら、量を減らすべきだし、幻聴でしんどいのなら、量を増やすべきでした。)

治療が上手く行かないと、患者さんは何も悪くないのに、つい嫌な顔をしてしまう。ふと、3年前の事を思い出し、複雑な気分になりました。

>臨床試験も試験治療中止の理由として有害事象を伴わない患者拒否項目が思いの外多いのですが

悲しい事ですね。

>つまり日常生活を犠牲にしてまで減量しない価値のある治癒可能な抗がん剤治療が固形がんに関してはほとんどないのです。

プロにそう言われて、正直、ほっとしました。

FOLFOXのしんどさは、常軌を逸していたと思うのですが、比較試験が、この量で行われている事から、「僕が特に副作用が出易いのか。」などと、当時、あれこれと考えていました。
2011/05/25(Wed) 12:39 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
ごぶさたしています
以前副作用がひどいと訴えたら「減薬する?」「でもそうすると効果がねぇ」と言われて怖くてできなかったことがあります。
最もFOLFOXは私は2回目から減薬していたのですが。

今回はもう最初から減薬スタートです。
とは言えあいかわらず数日ダウンしているので、もっと減らしてもいいのかなぁ………

>治療が上手く行かないと、患者さんは何も悪くないのに、つい嫌な顔をしてしまう。

やはり先生の方もそうですよね。
悪い検査結果が出たときに、主治医に「がっかり」という顔をされてしまい、あぁ……と申し訳なく思ってしまいました。
2011/05/29(Sun) 02:24 | URL  | 緑緑*ryuryu #B6hI6adY[ 編集]
こちらこそ、ご無沙汰しています。
緑緑*ryuryuさん

こちらこそ、ご無沙汰しています。

>以前副作用がひどいと訴えたら「減薬する?」「でもそうすると効果がねぇ」と言われて怖くてできなかったことがあります。

僕も、減らすと、効果が落ちる、と主治医に言われた事があります。

これは、当然の事なのですが、よく考えてみると、「基本的な設定自体に無理があるのではないか。」と思うようになりました。

>悪い検査結果が出たときに、主治医に「がっかり」という顔をされてしまい、あぁ……と申し訳なく思ってしまいました。

緑緑*ryuryuさん、いい人ですね。

(僕が診ている)患者さんも、そう思っているのかな。
2011/05/30(Mon) 22:41 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
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