癌との共存を目指しています。
もう一度、2008年3月に戻ったとしたら。

まずは、家族性大腸腺腫症で大腸ポリポーシスになっているのか、それ以外のもの(例えば、若年性ポリポーシス)が原因で、大腸ポリポーシスになっているのかを考えるだろう。

2008年3月当時、父親は70歳台前半、母親は66歳であった。

家族性大腸腺腫症なら、親から子に遺伝するので、父親か母親のいずれかが家族性大腸腺腫症でなければ話が合わない。しかし、父親も母親も、2008年3月まで、大腸の病変を指摘されたことが無い(そもそも大腸ファイバーを受けたことが無い)。

家族性大腸腺腫症なら、60歳までに100%、大腸癌になる(ポリポーシスのいずれかが必ず癌化する)と言われているので、2008年3月当時、66歳の母親に全く、その兆候(血便、貧血、腸閉塞など)がないことを考えると、家族性大腸腺腫症の線は考えにくい。(最も遅く大腸癌になったところで、60歳。そこから無治療で6年間、何の症状も無く過ごせるというのは、無理があると思う。)

なお、母方のいとこに1人、大腸癌の人が居る以外、母方に大腸癌の人は居ないので、母方からの遺伝は考えにくい。母方の祖父は、78歳で心不全(老衰)で死亡。母方の祖母は、90歳で死亡。尿路感染症が原因で亡くなっている。

父親についても、母親について考察したのと同様の理由で、家族性大腸腺腫症の線は低いと考えることが出来る。(父方の家族歴は省略。)

以上から、家族性大腸腺腫症の可能性は低いと考えられる。

家族性大腸腺腫症の場合は、原則的に、大腸全摘術を受けるべきだと思う。しかし、それ以外のケースであれば、癌を全部、取り切ることを第一に考えるべきだと思う。すなわち、全摘しないと癌を全部、取れない、というのであれば、全摘せざるを得ないが、全摘せずに癌を全部、取り切れるのであれば、全摘せずに癌を取り切ってもらうのが良い、と思う。

もう一度、2008年3月に戻れたなら、全摘術は受けない方向で考えるだろう。

大腸全摘術を受けると、かなりQOL(Quality of Life、生活の質)が落ちる。あと、術後、化学療法を受ける際、かなり辛い思いをする。大腸癌に効く抗癌剤の多くは、小腸の粘膜にダメージを与え、下痢を惹き起こす。もともと、大腸を取って、水分の吸収が悪くなっているのに加え、小腸からの水分吸収能が落ちる結果、さらに水分の吸収が出来なくなり、下痢と頻便の日々(10回/日以上)となる。

また、便を溜める役目を果たしていた大腸が無くなっているため、便意が持続する。これが非常に辛い。外出がかなり制限されてしまう。トイレがあるところしか出掛けられなくなる。

下痢と頻便そして恐らく5-FUの副作用のため、回腸末端と肛門を吻合したところに排便時、痛みが生じる。これも辛い。また、下痢と頻便のため、肛門周囲がただれる。

家族性大腸腺腫症でないのなら(その可能性が低いのなら)、癌のみを取り(リンパ節郭清は受ける。癌が浸潤していたら、もちろん、それも取ってもらう)、その後は、risk factor(危険因子) の無い生活を送る(必要なら、抗癌剤投与を受ける)のが良いと思う。少なくとも、今の僕が、当時に戻れるとすれば、その方向で考えるだろう。

なお、risk factor については、米国統合医療ノートの「がん」のカテゴリーのところと「がんに効く生活」(ダヴィド・S・シュレベール著)を読み、出来る限り、それらを実践しようとするだろう。

一度、きちんとまとめておいた方が、同様の状態になった方が後から読む際に良いかな、と思い、こういった形式で、まとめてみた。

●●●

2011年10月2日、下から3つ目の段落を一部、書き直しました。

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【2010/11/20 23:57】 | 大腸ポリポーシス
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遺伝性
whitekite
のっぽ先生、こんばんは。

私は、直腸癌を切除した後、担当医に「遺伝性の癌じゃなかった。癌になった理由は不明。」と言われました。父方の祖父が大腸癌で亡くなりましたが、70歳以上でした。それ以外は大腸癌はいないと思います。
「遺伝性でない」と言われた時には、「そういうこともわかるんですねー」と聞いたら、「そうなんですよー」というのんきな会話しか、担当医としなかったので、詳しいことはわからないのですが。。。あんまり参考にならずにすみません。。

そんなわけなので、自分が癌を作りだしてしまう体質なのかも、と思いつつ試行錯誤の毎日です。



試行錯誤
のっぽ187
whitekiteさん

基本的には、「癌になった理由は不明。」という方が殆どだと思います。なお、僕も、そうです。恐らく、遺伝性のものでは無いでしょうから。

食事、運動、心の在り様が、押さえるべきポイントだとすれば、食事、運動に関しては、するべきことが比較的、明確だと思うので、そこから僕は取り掛かっています。

精神科の診療を本業としているのですが、心の平穏を得るために、具体的に、どういうアプローチをすればいいのか、正直言って、よく分からないです。それこそ、日々、試行錯誤しています。

反省しています
カノン
これまでの記事を通して、大腸全摘術後の後遺症によって、のっぽ先生が日常生活に支障をきたしていらっしゃることは、断片的には知っているつもりになっていました。でも、今回まとめていただいたエントリーを拝見して、想像以上にご苦労が多いことがわかりました。
以前、大腸全摘術は仕方なかったのではないかなどと、軽々に書き込んでしまい、本当に申し訳ありませんでした。

私の記憶では、当時の執刀医さんは、「これらのポリープは早晩がん化する」かつ「手術は1回だけ」と言っていらしたように思います。つまり、がんだけ切除しても、他のポリープががん化した場合、もう手術できない、ということかと思っていました。

家族性大腸ポリポーシスを確定するには、APC遺伝子変異を検出するためのいくつかの臨床方法があるそうですが、なぜ当時の主治医さんは、そういう検査をなさらなかったのだろうか、と不思議に思います。
のっぽ先生も書いていらっしゃいましたが、大腸を全摘するかどうか、とても重い判断だったと思いますので、その判断をするに当たって、もっと情報を与えて下さっていたらなあ、と思います。
素人考えで、すみません。

患者さんサイドで、勉強して選択するというのは、本当に難しいことです。
私には、化学療法について知識が全然ないので、とても迷ったのですが、消化器がんの化学療法が専門の腫瘍内科医さんが書いていらっしゃる「がん治療の虚実」というブログを読んで、のっぽ先生のお考えと、相通ずるところが多いと感じました。
のっぽ先生のブログは、多くの読者さんが読んでいらっしゃいますので、他の方のブログ名を挙げることが、不適切でしたら、申し訳ありませんが、この書き込みを削除してくださいますようお願いします。


のっぽ187
カノンさん

少し返事が遅くなります。よろしくお願い致します。

これまでの経緯を思い起こして書きました。
のっぽ187
カノンさん

先日、僕と似た状況の方から相談を受けることがありました。

当初、僕のようなケースは、レアケースだろう、と思っていたのですが、どうも、そうではない様なので、「一度、いい機会なので、まとめてみよう。」と思い立ち、今回の記事としました。

一人ひとりとメールでやり取りするのも悪くは無いのですが、こうして記事にした方が、多くの方が、僕の経験を役立てることが出来るのではないか、と思いました。

また、復職したら、今ほど、時間を取ることは出来なくなるということも、今回の記事を書く根拠として、ありました。

あまり、「痛い。」とか「辛い。」と言うのが好きでないので、具体的に、どれ位、苦痛があるのか、どれ位の制限が加わっているのか、をこちらのブログには書いていませんでした。(よそにも書いていませんが。)

なので、カノンさんが、その程度が十分、分からなかった、というのは、当然だと思います。むしろ、これだけの記載から、これだけ分かってくれているのであれば、僕としては、大変、満足しています。

ただ、このブログを読んで、術式を選ぶという方がいるかも知れないと考えた場合、率直に、「こういうところが辛い、こういうところで不便が生じる。」と書いておいた方が良いのではないか、と思いました。

なので、カノンさんが書いたことについて、どうこう、ということは全く思っていないですし、上述したように、「この記載から、これだけ分かってくれているんだ。」という驚きの方が多かったです。

>私の記憶では、当時の執刀医さんは、「これらのポリープは早晩がん化する」かつ「手術は1回だけ」と言っていらしたように思います。つまり、がんだけ切除しても、他のポリープががん化した場合、もう手術できない、ということかと思っていました。

この部分は、カノンさんが憶えていらした通りです。

「直腸癌のみを取る。」という選択をして、その後、大腸ファイバーでポリープを取った際、癌が再度、確認され、また、その癌が筋層へ浸潤していた場合(内視鏡下で取り切れない場合)は、手術を選択することが出来ないので、そのまま、抗癌剤治療へ、ということになる、と僕も理解しています。

要は、
① 結腸を残し、大腸のポリポーシスが癌化しない方に賭ける。
② 直腸のみならず結腸も取ってしまう(大腸を全摘する)。
のいずれかを選んで下さい、ということでした。

ただ、②は、今回の記事に書いた通りで、抗癌剤治療を受ける際、かなり辛い思いをします。

そして、これは、最近、気付いたのですが、①を選び、「がんに効く生活」が推奨する食生活をすれば、「結構、いい線、行くのではないか。」ということです。

ただ、「がんに効く生活」を実践することで、どれ程、大腸ポリープ(大腸のポリープから取った細胞が、tubular adenoma で、class 3 であると、術後に伺いました。術前には、大腸ポリープから取った細胞は良性だったと伺っていました。)から大腸癌への進行を抑えられるか、ということがポイントになって来るか、と思います。そして、この部分は、人によって、大いに意見の分かれるところだと思います。

2008年3月13日に大腸ファイバーを受け、この時、大腸に90~100個のポリープがあると伺いました。そして、その時、術者になる先生から大腸全摘を勧められました。

僕は、早合点をして、「自分は、家族性大腸腺腫症だ。」と思いました。大腸ポリポーシスを来たすものとして、家族性大腸腺腫症以外にも、○○症候群というのがあると知っていたのですが(○○の中は、うろ覚えでした。)、○○症候群は、家族性大腸腺腫症以上に稀な疾患だと思っていたので、自分は家族性大腸腺腫症だ、と勝手に思い込んでしまいました。また、明確に疾患の概念を知っていたのが、家族性大腸腺腫症だけだったというのも、そちらに自分の考えを導いてしまった一因だったと思います。

13日に、CTも撮りました。この時、肺に4つの結節があり、転移であると思われると言われました。当時の僕は、「両側の肺転移=もう治らない。もう駄目だ。」と思っていたので、この説明を受け、ひどく落胆しました。

もし、「大腸に90~100個のポリープがある。」とだけ言われていたら(CT上、転移が無かったら)、「90~100個って、これって、家族性大腸腺腫症でいいの?」とか「両親も祖父母も、大腸癌を指摘されていないのに、本当に家族性大腸腺腫症でいいの?」と、冷静に考えることが出来ていたかな、とも思います。

術者になる先生が、「大腸に90~100個のポリープがある。」と説明したのは、憶えているのですが、「これらのポリープは早晩癌化する。」と言ったかどうかは、今はもう、憶えていないです。多分、言っていなかったと思います。

恐らく、「大腸に90~100個のポリープがある。」と聞いて、僕が「家族性大腸腺腫症だ。」と早合点し、「家族性大腸腺腫症で出来るポリープは、早晩、癌化する。(これは事実です。)なので、僕の大腸にあるポリープは、早晩、癌化する。」と理解したというのが実情だと思います。

今を思えば、過去の僕のブログの記載は、不正確でした。恐らく、違う原因で大腸にポリープが90~100個、出来ていたのに、家族性大腸腺腫症であると思っていたこと、それに、当時は今ほど、2008年3月のことを冷静に振り返ることが出来ていなかったことから、不正確な記述になっていました。こちらこそ、お詫び致します。

3月24日に入院し、その日の晩に、術者になる先生から再度、説明を受けました。(確か、入院した日の晩だったと思います。)その時に、①直腸癌だけを取る。②大腸を全摘する。の2つの選択肢を提示されました。手術は1回のみ、なお、②を選ぶと、QOLが落ちると言われました。

僕は、②を選ばないと、長期生存は無い、と考えていたので(今、考えると、この考えは誤っていました)、②を選びました。

今を思えば、2回目の説明の際に、新たな選択肢が出て来たこと、この新たな選択肢の方を先に挙げたこと(直腸癌だけを取る、という選択肢の方を先に話されたと記憶しています。)から、①の方が、トータルで見ると、良い選択肢であると思われる、と術者の先生は考えていらしたのではないか、と思います。残念ながら、当時の僕は、それを読み取ることは出来ませんでした。読み取る余裕がありませんでした。

APC遺伝子変異を検出するのは、結構、手間が掛かる、と大学の同期から聞いたことがあります。(以前、記事に書いたと思います。)

手間が掛かるからしなかったのか、術者の先生は「家族性大腸腺腫症である可能性は低い。」と考えていたからしなかったのか、はたまた、「そんな検査をしている間に、癌が進行してしまい、癌を全部、取り切るチャンスを逸する。」と考えていたのかは、僕には分からないです。

実際、僕の癌は、かなり進行していて、あまり手術を受けるのが遅くなると、肉眼的に癌を全部、取り出すことが出来なくなっていた可能性があります。

また、僕が手術を受けた病院は、患者さんの数が勤めている医者の数に比べて多く(大学病院以外は皆そうだと思います)、遺伝子変異の検査をする余裕は無かったのではないか、とも思います。

「一人の医者がこなしている手術件数が多い。」ニアリーイコール「患者さんの数がとても多い。一人ひとりに完璧な対応は出来ない。」というのが実情ではないか、と思います。

今回の返事を書いていて思ったのですが、直腸の癌のみを取る、という選択肢を選ぶに当たって重要なことは、大腸ポリポーシスの原因となる疾患の診断(家族性大腸腺腫症であるか、そうではないか)と「がんに効く生活」が本当に癌に効くのかの2点だと思いました。(残ったポリポーシスに対しては、手術が出来ない以上、一つひとつのポリープを癌化させないことが重要となる。定期的に大腸ファイバーを受けることで、大きくなったポリープを取ってもらうことが基本だと思うが、癌化させない手立てとしての「がんに効く生活」の実践をどう評価するか、がポイントになるだろう。)

当時は、「がんに効く生活」の存在を知らなかったので(邦訳が出たのが2009年2月)、術式を選ぶのは、当時の方が今より難しかったと思います。

追加
のっぽ187
カノンさん

「がん治療の虚実」、読みました。

リンクに加えました。

まっすぐ生きる
カノン
のっぽ先生、ありがとうございます。
変わらない誠実なお人柄と、物事に真摯に向き合う姿勢が、深く心に響き、強く胸を打たれました。

私の書き込みに対して、「そうですよね。術者になる先生が、もう少し詳しく検査したり説明したりしてくれていたら、大腸全摘術ではない選択をしていたかもしれませんね」と軽く答えてくだされば、私も「本当にそうだよね」と思って、そのまま済んだ事でした。

でも、のっぽ先生は、そうなさいませんでした。意を尽くし、言葉を尽くして、なるべく真実に近づく努力を、惜しみなく続けてくださいました。それは医師という専門家としての良心であり、その前にひとりの人間として、まっすぐに歩んでいこうという覚悟の証であろう、と受け取りました。

そして、これが正に、中村天風先生がおっしゃる「どんな場合にも、本心良心に背くような言葉や行動をいっさいしない」生き方なのだろう、と思います。

ご返信を拝見して、私も良心に従って、先週から気になっていた仕事に、決着をつけました。
のっぽ先生のまっすぐな言動に、触発された結果です。すっきりしました。

今回は、とても感動したことをお伝えしたかったことに尽きるので、ご返信はなしということで、お願いいたします。
のっぽ先生には責任がないことで、責任を感じさせてしまった、自分自身の馬鹿さ加減に、ちょっと辟易していますので・・・。

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遺伝性
のっぽ先生、こんばんは。

私は、直腸癌を切除した後、担当医に「遺伝性の癌じゃなかった。癌になった理由は不明。」と言われました。父方の祖父が大腸癌で亡くなりましたが、70歳以上でした。それ以外は大腸癌はいないと思います。
「遺伝性でない」と言われた時には、「そういうこともわかるんですねー」と聞いたら、「そうなんですよー」というのんきな会話しか、担当医としなかったので、詳しいことはわからないのですが。。。あんまり参考にならずにすみません。。

そんなわけなので、自分が癌を作りだしてしまう体質なのかも、と思いつつ試行錯誤の毎日です。

2010/11/21(Sun) 21:06 | URL  | whitekite #-[ 編集]
試行錯誤
whitekiteさん

基本的には、「癌になった理由は不明。」という方が殆どだと思います。なお、僕も、そうです。恐らく、遺伝性のものでは無いでしょうから。

食事、運動、心の在り様が、押さえるべきポイントだとすれば、食事、運動に関しては、するべきことが比較的、明確だと思うので、そこから僕は取り掛かっています。

精神科の診療を本業としているのですが、心の平穏を得るために、具体的に、どういうアプローチをすればいいのか、正直言って、よく分からないです。それこそ、日々、試行錯誤しています。
2010/11/21(Sun) 22:40 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
反省しています
これまでの記事を通して、大腸全摘術後の後遺症によって、のっぽ先生が日常生活に支障をきたしていらっしゃることは、断片的には知っているつもりになっていました。でも、今回まとめていただいたエントリーを拝見して、想像以上にご苦労が多いことがわかりました。
以前、大腸全摘術は仕方なかったのではないかなどと、軽々に書き込んでしまい、本当に申し訳ありませんでした。

私の記憶では、当時の執刀医さんは、「これらのポリープは早晩がん化する」かつ「手術は1回だけ」と言っていらしたように思います。つまり、がんだけ切除しても、他のポリープががん化した場合、もう手術できない、ということかと思っていました。

家族性大腸ポリポーシスを確定するには、APC遺伝子変異を検出するためのいくつかの臨床方法があるそうですが、なぜ当時の主治医さんは、そういう検査をなさらなかったのだろうか、と不思議に思います。
のっぽ先生も書いていらっしゃいましたが、大腸を全摘するかどうか、とても重い判断だったと思いますので、その判断をするに当たって、もっと情報を与えて下さっていたらなあ、と思います。
素人考えで、すみません。

患者さんサイドで、勉強して選択するというのは、本当に難しいことです。
私には、化学療法について知識が全然ないので、とても迷ったのですが、消化器がんの化学療法が専門の腫瘍内科医さんが書いていらっしゃる「がん治療の虚実」というブログを読んで、のっぽ先生のお考えと、相通ずるところが多いと感じました。
のっぽ先生のブログは、多くの読者さんが読んでいらっしゃいますので、他の方のブログ名を挙げることが、不適切でしたら、申し訳ありませんが、この書き込みを削除してくださいますようお願いします。
2010/11/28(Sun) 23:25 | URL  | カノン #-[ 編集]
カノンさん

少し返事が遅くなります。よろしくお願い致します。
2010/11/30(Tue) 23:16 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
これまでの経緯を思い起こして書きました。
カノンさん

先日、僕と似た状況の方から相談を受けることがありました。

当初、僕のようなケースは、レアケースだろう、と思っていたのですが、どうも、そうではない様なので、「一度、いい機会なので、まとめてみよう。」と思い立ち、今回の記事としました。

一人ひとりとメールでやり取りするのも悪くは無いのですが、こうして記事にした方が、多くの方が、僕の経験を役立てることが出来るのではないか、と思いました。

また、復職したら、今ほど、時間を取ることは出来なくなるということも、今回の記事を書く根拠として、ありました。

あまり、「痛い。」とか「辛い。」と言うのが好きでないので、具体的に、どれ位、苦痛があるのか、どれ位の制限が加わっているのか、をこちらのブログには書いていませんでした。(よそにも書いていませんが。)

なので、カノンさんが、その程度が十分、分からなかった、というのは、当然だと思います。むしろ、これだけの記載から、これだけ分かってくれているのであれば、僕としては、大変、満足しています。

ただ、このブログを読んで、術式を選ぶという方がいるかも知れないと考えた場合、率直に、「こういうところが辛い、こういうところで不便が生じる。」と書いておいた方が良いのではないか、と思いました。

なので、カノンさんが書いたことについて、どうこう、ということは全く思っていないですし、上述したように、「この記載から、これだけ分かってくれているんだ。」という驚きの方が多かったです。

>私の記憶では、当時の執刀医さんは、「これらのポリープは早晩がん化する」かつ「手術は1回だけ」と言っていらしたように思います。つまり、がんだけ切除しても、他のポリープががん化した場合、もう手術できない、ということかと思っていました。

この部分は、カノンさんが憶えていらした通りです。

「直腸癌のみを取る。」という選択をして、その後、大腸ファイバーでポリープを取った際、癌が再度、確認され、また、その癌が筋層へ浸潤していた場合(内視鏡下で取り切れない場合)は、手術を選択することが出来ないので、そのまま、抗癌剤治療へ、ということになる、と僕も理解しています。

要は、
① 結腸を残し、大腸のポリポーシスが癌化しない方に賭ける。
② 直腸のみならず結腸も取ってしまう(大腸を全摘する)。
のいずれかを選んで下さい、ということでした。

ただ、②は、今回の記事に書いた通りで、抗癌剤治療を受ける際、かなり辛い思いをします。

そして、これは、最近、気付いたのですが、①を選び、「がんに効く生活」が推奨する食生活をすれば、「結構、いい線、行くのではないか。」ということです。

ただ、「がんに効く生活」を実践することで、どれ程、大腸ポリープ(大腸のポリープから取った細胞が、tubular adenoma で、class 3 であると、術後に伺いました。術前には、大腸ポリープから取った細胞は良性だったと伺っていました。)から大腸癌への進行を抑えられるか、ということがポイントになって来るか、と思います。そして、この部分は、人によって、大いに意見の分かれるところだと思います。

2008年3月13日に大腸ファイバーを受け、この時、大腸に90~100個のポリープがあると伺いました。そして、その時、術者になる先生から大腸全摘を勧められました。

僕は、早合点をして、「自分は、家族性大腸腺腫症だ。」と思いました。大腸ポリポーシスを来たすものとして、家族性大腸腺腫症以外にも、○○症候群というのがあると知っていたのですが(○○の中は、うろ覚えでした。)、○○症候群は、家族性大腸腺腫症以上に稀な疾患だと思っていたので、自分は家族性大腸腺腫症だ、と勝手に思い込んでしまいました。また、明確に疾患の概念を知っていたのが、家族性大腸腺腫症だけだったというのも、そちらに自分の考えを導いてしまった一因だったと思います。

13日に、CTも撮りました。この時、肺に4つの結節があり、転移であると思われると言われました。当時の僕は、「両側の肺転移=もう治らない。もう駄目だ。」と思っていたので、この説明を受け、ひどく落胆しました。

もし、「大腸に90~100個のポリープがある。」とだけ言われていたら(CT上、転移が無かったら)、「90~100個って、これって、家族性大腸腺腫症でいいの?」とか「両親も祖父母も、大腸癌を指摘されていないのに、本当に家族性大腸腺腫症でいいの?」と、冷静に考えることが出来ていたかな、とも思います。

術者になる先生が、「大腸に90~100個のポリープがある。」と説明したのは、憶えているのですが、「これらのポリープは早晩癌化する。」と言ったかどうかは、今はもう、憶えていないです。多分、言っていなかったと思います。

恐らく、「大腸に90~100個のポリープがある。」と聞いて、僕が「家族性大腸腺腫症だ。」と早合点し、「家族性大腸腺腫症で出来るポリープは、早晩、癌化する。(これは事実です。)なので、僕の大腸にあるポリープは、早晩、癌化する。」と理解したというのが実情だと思います。

今を思えば、過去の僕のブログの記載は、不正確でした。恐らく、違う原因で大腸にポリープが90~100個、出来ていたのに、家族性大腸腺腫症であると思っていたこと、それに、当時は今ほど、2008年3月のことを冷静に振り返ることが出来ていなかったことから、不正確な記述になっていました。こちらこそ、お詫び致します。

3月24日に入院し、その日の晩に、術者になる先生から再度、説明を受けました。(確か、入院した日の晩だったと思います。)その時に、①直腸癌だけを取る。②大腸を全摘する。の2つの選択肢を提示されました。手術は1回のみ、なお、②を選ぶと、QOLが落ちると言われました。

僕は、②を選ばないと、長期生存は無い、と考えていたので(今、考えると、この考えは誤っていました)、②を選びました。

今を思えば、2回目の説明の際に、新たな選択肢が出て来たこと、この新たな選択肢の方を先に挙げたこと(直腸癌だけを取る、という選択肢の方を先に話されたと記憶しています。)から、①の方が、トータルで見ると、良い選択肢であると思われる、と術者の先生は考えていらしたのではないか、と思います。残念ながら、当時の僕は、それを読み取ることは出来ませんでした。読み取る余裕がありませんでした。

APC遺伝子変異を検出するのは、結構、手間が掛かる、と大学の同期から聞いたことがあります。(以前、記事に書いたと思います。)

手間が掛かるからしなかったのか、術者の先生は「家族性大腸腺腫症である可能性は低い。」と考えていたからしなかったのか、はたまた、「そんな検査をしている間に、癌が進行してしまい、癌を全部、取り切るチャンスを逸する。」と考えていたのかは、僕には分からないです。

実際、僕の癌は、かなり進行していて、あまり手術を受けるのが遅くなると、肉眼的に癌を全部、取り出すことが出来なくなっていた可能性があります。

また、僕が手術を受けた病院は、患者さんの数が勤めている医者の数に比べて多く(大学病院以外は皆そうだと思います)、遺伝子変異の検査をする余裕は無かったのではないか、とも思います。

「一人の医者がこなしている手術件数が多い。」ニアリーイコール「患者さんの数がとても多い。一人ひとりに完璧な対応は出来ない。」というのが実情ではないか、と思います。

今回の返事を書いていて思ったのですが、直腸の癌のみを取る、という選択肢を選ぶに当たって重要なことは、大腸ポリポーシスの原因となる疾患の診断(家族性大腸腺腫症であるか、そうではないか)と「がんに効く生活」が本当に癌に効くのかの2点だと思いました。(残ったポリポーシスに対しては、手術が出来ない以上、一つひとつのポリープを癌化させないことが重要となる。定期的に大腸ファイバーを受けることで、大きくなったポリープを取ってもらうことが基本だと思うが、癌化させない手立てとしての「がんに効く生活」の実践をどう評価するか、がポイントになるだろう。)

当時は、「がんに効く生活」の存在を知らなかったので(邦訳が出たのが2009年2月)、術式を選ぶのは、当時の方が今より難しかったと思います。
2010/12/06(Mon) 18:27 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
追加
カノンさん

「がん治療の虚実」、読みました。

リンクに加えました。
2010/12/06(Mon) 18:32 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
まっすぐ生きる
のっぽ先生、ありがとうございます。
変わらない誠実なお人柄と、物事に真摯に向き合う姿勢が、深く心に響き、強く胸を打たれました。

私の書き込みに対して、「そうですよね。術者になる先生が、もう少し詳しく検査したり説明したりしてくれていたら、大腸全摘術ではない選択をしていたかもしれませんね」と軽く答えてくだされば、私も「本当にそうだよね」と思って、そのまま済んだ事でした。

でも、のっぽ先生は、そうなさいませんでした。意を尽くし、言葉を尽くして、なるべく真実に近づく努力を、惜しみなく続けてくださいました。それは医師という専門家としての良心であり、その前にひとりの人間として、まっすぐに歩んでいこうという覚悟の証であろう、と受け取りました。

そして、これが正に、中村天風先生がおっしゃる「どんな場合にも、本心良心に背くような言葉や行動をいっさいしない」生き方なのだろう、と思います。

ご返信を拝見して、私も良心に従って、先週から気になっていた仕事に、決着をつけました。
のっぽ先生のまっすぐな言動に、触発された結果です。すっきりしました。

今回は、とても感動したことをお伝えしたかったことに尽きるので、ご返信はなしということで、お願いいたします。
のっぽ先生には責任がないことで、責任を感じさせてしまった、自分自身の馬鹿さ加減に、ちょっと辟易していますので・・・。
2010/12/07(Tue) 23:30 | URL  | カノン #-[ 編集]
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