癌との共存を目指しています。
8日は、第5回「市民のためのがん治療の会」講演会に出席して来た。以下に、まとめを記す。

ゲートタワーIGTクリニック院長、堀信一先生「血管内治療」の話。TAE(動脈に塞栓をすることで、腫瘍を殺す)の話だった。肝細胞癌が主な適応。他、乳癌の原発巣、乳癌の肝転移、乳癌のリンパ節転移について、奏功例の報告があった。

大腸癌は(確か胃癌、膵臓癌も)、動脈から、それ程、多く血液を供給されていないので、動脈塞栓術の適応にはならないと思う。(そう学生時代、習った。)

都島放射線クリニック副院長、呉隆進先生「高精度放射線治療」の話。乳癌、腎細胞癌、中咽頭癌の骨転移に対し、脊髄を避けた照射をし、骨に転移した癌のみをやっつけることが出来るという話。大腸癌の肺転移に対しては、手術後2年以上、経っていて、転移の数が少ないケースが良い適応となるとのこと。

この講演の後半は、僕にとって重要な話だった。「手術が出来ない転移巣に対し、放射線治療は、かなり有望である。」と理解した。また、放射線治療は、局所へアプローチするものなので、手術の代わりとなり得るが、全身への化学療法の代わりとはなり得ないと理解した。

東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長、中村祐輔先生「がんペプチドワクチン療法」の話。がんペプチドワクチンは、抗癌剤で弱っていない人に効く傾向にある。また手術をして、かなりきれいに腫瘍を取り去ることが出来たケース、CR(CTなど画像上で腫瘍を示唆する所見がない)のケースに良く効くとのこと。がんペプチドワクチンは、効き始めるまでに半年位かかり、これを遅延効果と言っている。白血球には、好中球とリンパ球があるが、リンパ球が多い方がいい(よく効く)とのこと。白血球の型(HLA)が合わないと駄目(治療できない)とのこと。

この日の話のメインディッシュ。効き始めるのに半年位掛かる(遅延効果がある)ということは、治療を開始する時点で、あまり癌が身体の中にない方がいいということと話が合う。誤解を恐れずに僕の理解を言うと、「がんペプチドワクチンは、治療開始後、半年間は、それ程、効果を見込めない。半年後の時点で勝負になるケース(ワクチンに誘導された免疫担当細胞が増えた時点で、免疫担当細胞の攻撃力>腫瘍の増殖する力が成り立つケース)が、この治療の良い適応となるのだろう。」

がんペプチドワクチンは、大腸癌に対しても、効果は見込めると思われる(2回目の手術を受けた後の僕は、がんペプチドワクチンの良い適応だったと思う。)が、現在、臨床試験中であること(臨床試験に申し込むと、1/2の確率で、この治療を受けられるが、1/2の確率で、生理食塩水のみの注射を受けるということになる)から、現時点では、様子を見ることにした。なお、臨床試験なので、医療費は掛からないと思う。(医療費については、臨床試験を実施している施設、担当者に確認して下さい。)

最後に、進行した膵臓癌の患者さんに対する、がんペプチドワクチン投与で、唯一(だったと思う)の生存例(この母集団としては、かなり長く生存している)が、30歳代の方だったことが印象深かった。免疫の誘導という点では、若い方がいいのかも知れない。

なお、演者の中村祐輔先生は、講演の内容もさることながら、超一流の人物であるとお見受けした。日本に、こんな凄い研究者がいるのか、と改めて驚いた。

他にも講演された先生がいたが、講演内容は割愛する。

懇親会で、山口大学の放射線科の先生(この先生は、8日は講演されていない)に、(僕が)腹腔内のリンパ節に再発をした場合、放射線治療の適応になるか、ということを聞いた。適応になるとのこと。(保険適応はないとのこと。)

CT上で腹腔内リンパ節が前回のCTに写っているものに比べて一回り大きく写っていたとすれば、PETを撮り、それで同部位(一回り大きく写っているリンパ節)に集積が見られたら、通常、外科医や腫瘍内科医は化学療法を勧めるが、ここで、「放射線治療を受けたい。」と主治医に申し出るのが良いとのこと。ピンポイントで、その大きくなっているリンパ節を放射線で狙うことが出来るとのこと。

この方法の問題点は、小腸が放射線に弱い臓器なので、小腸を避けながら、再発が疑われるリンパ節だけを狙い撃ち出来るのかということだろう。

FC2blog テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

【2010/08/10 18:03】 | 自分の体
トラックバック(0) |

管理人のみ閲覧できます
-


分かる限りでお答えします。
のっぽ187
匿名の方へ

本業が精神科なので、他の科のことについては、10数年前に勉強して以来、殆ど勉強していません。私が分かる限りでお答えします。

扁平上皮癌には放射線は効く、腺癌には放射線は効かない、と学生時代、勉強しました。子宮頸癌は扁平上皮癌であることが多いので、普通は放射線は効くと、学生時代、学びました。

子宮頸部腺癌に放射線が効くのかどうか僕は分からないのですが、上記から考えると、「あまり効かないのかな。」と思います。なお、今回の記事にも書きましたが、この10数年で放射線治療も格段の進歩を遂げているようです。

あと放射線治療は、局所治療が、その適応となるようなので、癌の広がり具合によっては難しいのかも知れません。

小腸は放射線に弱い臓器なので、腹部への照射は難しいのかも知れません。(この辺りの判断は、素人同然なので、全然、分かりません。)

>医師から2年3年と生きるとは言えないと宣告されています。

医者は、立場上、厳しい告知をすることが多いです。長い年数を言って、早く亡くなってしまった場合、遺族に「なんでやねん。お前の治療が悪かったから違うか。」と言われることを恐れていると思います。僕も告知する立場なら、そういう考えが頭をよぎると思います。

医者の告知は、統計上の数字を伝えていると理解するのが良いと思います。(それでも受け容れ難いでしょうが。)

僕自身も、統計上の数字は、それ程、いい数字ではないのです(最近は、その数字を検索するのも面倒なので、していないです)。統計上の数字が良くない場合、僕らが目指すべきは、「少数派(もちろん長生きする少数派)」に入ることではないか、と思います。

少数派に入るには、個人的には、医療についてベストを尽くすこと(今回、お書きになっている放射線治療について、お調べになるというのは悪くないと思います)と「がんに効く生活」(ダヴィド・S・シュレベール著)という本に書かれていることのうちで出来そうなことをやってみるのが良いと思います。

8日に参加した「市民のためのがん治療の会」というのは、一言で言うと、「放射線治療を有効に活用しましょう。」という会でした。(このまとめは、かなり大雑把ですが、その方が理解しやすいと思い、こういう表現にしました。)

従って、一つの案としては、この会に入り(2000円/年)、どこを受診すればいいのか教えてもらう(セカンドオピニオン2000円/回)という手があると思います。あと、講演を聴く限りでは、都島放射線科クリニック副院長の呉先生からは、悪い印象は受けませんでした。

>毎日が辛くてなぜか涙が出てきます。

精神科を受診する(ニアリーイコール抗うつ薬の処方を受ける)べきかどうか少し迷うところですが、なるべく精神科の薬以外の方法で、「何とかしようと思う」ようになるのがいいと思います。一応、「中村天風、心を鍛える言葉」(岬龍一郎著)を勧めておきます。(この手の本は、人によって好き嫌いがあると思います。)あと、飯田史彦氏の著作も悪くないと思います。(僕は、「中村天風・・・」の方がしっくり来ました。)

「でも、やっぱり。」という場合は、精神科受診ということになろうか、と思います。以前も記事に書いたように、「もうこんなに辛いんだったら、死んでしまった方がまし。」と思うか、たびたび思うか、というところが精神科受診をするしないの基準になるかと思います。

僕も参加していました。
Jun
ブログ検索からやってきました。

僕もこの講演会に参加をしていました。

講演者の先生には質問をしたのですが、全員相談しやすい先生という印象でした。
堀先生、呉先生の両クリニックでは保険治療が該当するものは、当然保険治療をしていただけるということでした。
また中村先生がおっしゃるには、手術後早い時期でのワクチン治療の治験になかなか許可がおりない。
患者側も厚労省に声を上げてほしいと話されました。(国立がんセンターが力を持っているとも…)

のっぽ187さんのまとめがすばらしいので、当日参加できなかった知り合いにはこのブログを教えてしまいました。(すみません)
今後の記事も参考にさせてもらえると幸いです。

初めまして。
のっぽ187
Junさん

初めまして。

>また中村先生がおっしゃるには、手術後早い時期でのワクチン治療の治験になかなか許可がおりない。


そうですか。「何やっているんだ、厚労省!」という感じですね。

>患者側も厚労省に声を上げてほしいと話されました。(国立がんセンターが力を持っているとも…)

了解です。(と言っても、どうしたらいいのだろう。)

国立がんセンターにも、いい医者は、たくさんいると思うのですが、聞けば聞くほど、「悪の組織」という印象を持ってしまいます。

>のっぽ187さんのまとめがすばらしいので、当日参加できなかった知り合いにはこのブログを教えてしまいました。(すみません)

有難うございます。一応、そういうこと(参加できなかった人に内容をお伝えすること)を目的として、記事を書いているので、とっても嬉しいです。

あと、書いた内容を褒めてくれて、とても嬉しく思います。

こういった講演会に参加したら、こうして聞いた内容を記事にしようと思いました。

積極的精神で生きる。
momo
私も参加しました。

正直、ぼんやり気分だったのですが、情報収集の重要性を強く再認識しました。

疼痛緩和程度しか利用されない癌転移後の放射線を、ノバリスによるIMRTで局所根治を
目指す井上先生、呉先生

次々と新たな癌抗原ペプチドワクチンを開発し、60もの施設と連携し臨床応用を目指す
中村先生グループ

目覚めました。
画像で見える骨転移は、放射線で局所根治を目指し、微少転移しているであろう全身は、
標準療法+癌ペプチドワクチンで抑える。

今も都島と医科研には積極的にアプローチし、多くの情報が戴けました。
家族のため、積極的精神で生きる。大切ですね。

とても大切
のっぽ187
momoさん

コメント、頂いていたのに気付きませんでした。すみません。

積極的であることが全てを解決する訳ではないと思うのですが、積極的である方が消極的である場合に比べて、いい結果が得られる場合が多いように思います。

僕も、積極的精神で生きることは、とても大切だと考えています。




コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/08/13(Fri) 01:43 |   |  #[ 編集]
分かる限りでお答えします。
匿名の方へ

本業が精神科なので、他の科のことについては、10数年前に勉強して以来、殆ど勉強していません。私が分かる限りでお答えします。

扁平上皮癌には放射線は効く、腺癌には放射線は効かない、と学生時代、勉強しました。子宮頸癌は扁平上皮癌であることが多いので、普通は放射線は効くと、学生時代、学びました。

子宮頸部腺癌に放射線が効くのかどうか僕は分からないのですが、上記から考えると、「あまり効かないのかな。」と思います。なお、今回の記事にも書きましたが、この10数年で放射線治療も格段の進歩を遂げているようです。

あと放射線治療は、局所治療が、その適応となるようなので、癌の広がり具合によっては難しいのかも知れません。

小腸は放射線に弱い臓器なので、腹部への照射は難しいのかも知れません。(この辺りの判断は、素人同然なので、全然、分かりません。)

>医師から2年3年と生きるとは言えないと宣告されています。

医者は、立場上、厳しい告知をすることが多いです。長い年数を言って、早く亡くなってしまった場合、遺族に「なんでやねん。お前の治療が悪かったから違うか。」と言われることを恐れていると思います。僕も告知する立場なら、そういう考えが頭をよぎると思います。

医者の告知は、統計上の数字を伝えていると理解するのが良いと思います。(それでも受け容れ難いでしょうが。)

僕自身も、統計上の数字は、それ程、いい数字ではないのです(最近は、その数字を検索するのも面倒なので、していないです)。統計上の数字が良くない場合、僕らが目指すべきは、「少数派(もちろん長生きする少数派)」に入ることではないか、と思います。

少数派に入るには、個人的には、医療についてベストを尽くすこと(今回、お書きになっている放射線治療について、お調べになるというのは悪くないと思います)と「がんに効く生活」(ダヴィド・S・シュレベール著)という本に書かれていることのうちで出来そうなことをやってみるのが良いと思います。

8日に参加した「市民のためのがん治療の会」というのは、一言で言うと、「放射線治療を有効に活用しましょう。」という会でした。(このまとめは、かなり大雑把ですが、その方が理解しやすいと思い、こういう表現にしました。)

従って、一つの案としては、この会に入り(2000円/年)、どこを受診すればいいのか教えてもらう(セカンドオピニオン2000円/回)という手があると思います。あと、講演を聴く限りでは、都島放射線科クリニック副院長の呉先生からは、悪い印象は受けませんでした。

>毎日が辛くてなぜか涙が出てきます。

精神科を受診する(ニアリーイコール抗うつ薬の処方を受ける)べきかどうか少し迷うところですが、なるべく精神科の薬以外の方法で、「何とかしようと思う」ようになるのがいいと思います。一応、「中村天風、心を鍛える言葉」(岬龍一郎著)を勧めておきます。(この手の本は、人によって好き嫌いがあると思います。)あと、飯田史彦氏の著作も悪くないと思います。(僕は、「中村天風・・・」の方がしっくり来ました。)

「でも、やっぱり。」という場合は、精神科受診ということになろうか、と思います。以前も記事に書いたように、「もうこんなに辛いんだったら、死んでしまった方がまし。」と思うか、たびたび思うか、というところが精神科受診をするしないの基準になるかと思います。
2010/08/14(Sat) 22:10 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
僕も参加していました。
ブログ検索からやってきました。

僕もこの講演会に参加をしていました。

講演者の先生には質問をしたのですが、全員相談しやすい先生という印象でした。
堀先生、呉先生の両クリニックでは保険治療が該当するものは、当然保険治療をしていただけるということでした。
また中村先生がおっしゃるには、手術後早い時期でのワクチン治療の治験になかなか許可がおりない。
患者側も厚労省に声を上げてほしいと話されました。(国立がんセンターが力を持っているとも…)

のっぽ187さんのまとめがすばらしいので、当日参加できなかった知り合いにはこのブログを教えてしまいました。(すみません)
今後の記事も参考にさせてもらえると幸いです。
2010/08/15(Sun) 00:32 | URL  | Jun #-[ 編集]
初めまして。
Junさん

初めまして。

>また中村先生がおっしゃるには、手術後早い時期でのワクチン治療の治験になかなか許可がおりない。


そうですか。「何やっているんだ、厚労省!」という感じですね。

>患者側も厚労省に声を上げてほしいと話されました。(国立がんセンターが力を持っているとも…)

了解です。(と言っても、どうしたらいいのだろう。)

国立がんセンターにも、いい医者は、たくさんいると思うのですが、聞けば聞くほど、「悪の組織」という印象を持ってしまいます。

>のっぽ187さんのまとめがすばらしいので、当日参加できなかった知り合いにはこのブログを教えてしまいました。(すみません)

有難うございます。一応、そういうこと(参加できなかった人に内容をお伝えすること)を目的として、記事を書いているので、とっても嬉しいです。

あと、書いた内容を褒めてくれて、とても嬉しく思います。

こういった講演会に参加したら、こうして聞いた内容を記事にしようと思いました。
2010/08/15(Sun) 05:31 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
積極的精神で生きる。
私も参加しました。

正直、ぼんやり気分だったのですが、情報収集の重要性を強く再認識しました。

疼痛緩和程度しか利用されない癌転移後の放射線を、ノバリスによるIMRTで局所根治を
目指す井上先生、呉先生

次々と新たな癌抗原ペプチドワクチンを開発し、60もの施設と連携し臨床応用を目指す
中村先生グループ

目覚めました。
画像で見える骨転移は、放射線で局所根治を目指し、微少転移しているであろう全身は、
標準療法+癌ペプチドワクチンで抑える。

今も都島と医科研には積極的にアプローチし、多くの情報が戴けました。
家族のため、積極的精神で生きる。大切ですね。
2010/08/19(Thu) 21:24 | URL  | momo #-[ 編集]
とても大切
momoさん

コメント、頂いていたのに気付きませんでした。すみません。

積極的であることが全てを解決する訳ではないと思うのですが、積極的である方が消極的である場合に比べて、いい結果が得られる場合が多いように思います。

僕も、積極的精神で生きることは、とても大切だと考えています。


2010/08/28(Sat) 11:15 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック