癌との共存を目指しています。
24日(木)に、4月まで診ていた患者さんの家族が、僕に話がある、ということで勤務先の病院に来ていた。外来の診察室で、御家族からお話を聞くと、本人が、「新しい先生は、診察の時間が短い。○○(僕のこと)先生に診てもらいたい。」と言っているとのことであった。「嬉しいな。」と思ったと同時に、「困ったな。」と思った。実は、すでに1人、本人の希望を僕が汲むという格好で診ている方がいるのだが、こういった希望を汲み続けていると、僕としても負担が段々大きくなって行くし、何より、希望した患者さんと希望しているのだけど声を上げなかった患者さんの間で不公平が生じてしまうと思った。(この方以外にも、僕を希望している患者さんがいる、とスタッフから聞いていた。)

自分の残された時間について、「人を喜ばせて自分もまた、その人と喜ぶというのがいちばん尊いことなんだ。」(「中村天風 心を鍛える言葉」岬龍一郎著p220)を実践したいと思っているのだが、仕事の場で、それを行おうと思うと、意外と難しい。

「他の先生にお願いした患者さんを僕がまた診るということであれば、この場合は、簡単に投げ出す訳には行かないだろうし。」などと考えていると、ついつい「無理はしないでおこう。」となってしまう。

結局、この御家族の方には、「体調が思わしくないので、主治医を勤めることは出来ません。」とお断りした。

外来の患者さんは、たくさんいるので、僕のように時間を掛けて診ていたら、仕事が回らない、というのも一面の真実なので、根本的な解決は医者を増やすということになるだろう。とは言え、こういった状況で、いかにストレスを少なく抑えながら、いい仕事をして行くかは、今後の課題だろう。

追記。28日にオキサリプラチンの点滴を受けます。返事が遅れがちになると思います。御容赦下さい。

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【2010/06/27 02:27】 | 仕事
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whitekite
のっぽ先生、こんにちは。

今回の記事を読んで、私も勇気と誠意をもって仕事と関わっていかなくてはと思いました。
また、仕事でも、生活の中でも、頼まれると一生懸命やってしまう癖があって、それで相手に喜んでもらったときに、一緒に喜んでいるふりをしていたことがあったことに気づきました。

まだまだ本当に手探りで、いつか「いろいろな意味でバランスのとれた暮らし」にたどりつくかもわかりませんが、自分でそれをみつけるしかないので、どうにかこうにか探っていこうと思います。

オキサリプラチン、最小の副作用と最大の効果が出ますように。

勇気と誠意をもって
のっぽ187
whitekiteさん

「程よい程度の仕事をする。」というのは、癌を指摘される前からの目標でしたが、これを実践するのは意外と難しいです。

僕ら癌患者は、「出来ないと思われる仕事を断る勇気」と以前から持ち合わせている誠意(whitekiteさんは十分、これをお持ちだと思います。)を持って仕事に臨むべきなんだと思います。

>また、仕事でも、生活の中でも、頼まれると一生懸命やってしまう癖があって、

これは、素晴らしいと思います(僕も、そういう傾向があります)。しかし、再発の可能性のある癌患者にとって、無理は禁物なので、「勇気を持って断る。」というのが一番いい選択ではないか、と僕は考えています。

>いつか「いろいろな意味でバランスのとれた暮らし」にたどりつくかもわかりませんが、自分でそれをみつけるしかないので、どうにかこうにか探っていこうと思います。

「そうしよう。」と本当に思って、取り組んだ場合は、数年の時間を経て、それを自分のものに出来ることが多いと僕は考えています。

>オキサリプラチン、最小の副作用と最大の効果が出ますように。

有難うございます。まさに、そうあることを僕も願っています。


しろ
のっぽ187先生

悩ましかったですね、
何事にも時期があると思います。ストレスがあるとドンドン仕事が出来る時と、妨げになるとき、
今は後者の方ですよね、
先は長いのですから、今は、ストレスになることは避けられ、免疫力を高められ、
ご自信の治療に専念して欲しいです。

病院の、数をこなす考え方は、嫌です、さし置いて
同じ時間内での、
より数多くの患者さんと接して、治る人数と、
一人の時間を長くして、治る人数はドチラが多いのでしょう
この仮定比較には、無理がありそうですね、

次のオキサリプラチン点滴と、クロノテラピー試行、効果が、
なにとぞ、うまくいきますように 願ってます。


未来のために
カノン
患者さんに、それだけ頼りにされていらっしゃるというのは、素晴らしい!の一言に尽きます。
以前、双極性障害Ⅱ型の患者さんを、炭酸リチウムで治療なさって、自殺念慮が消えなかった患者さんが、仕事に復帰するまでに回復した、という記事を拝見した時も、本当にすごい、と思いました。
本田選手のフリーキックみたいです(笑)。

できることならば、ご家族の方々の希望を叶えて差し上げたいと、その方法も、あれこれ考えられたかと思いますが、確かに難しいですよね。
患者さんが、のっぽ先生の元に戻られたら、同僚の先生のプライドが傷つきます。そうなってしまったら、のっぽ先生が診られなくなった時、患者さんたちは、病院を変わらざるを得なくなってしまいます。責任感が強くていらっしゃいますから、そういう事態は耐えられないことでしょう。

今は、ご自身が大切になさっているものを手放されても、必要なものは必ず帰ってくる、と思います。
のっぽ先生は、年を重ねるごとに、きっと良い精神科医さんになられます。未来のために、無理なさいませんように。
あっという間に、また治療が始まってしまいますね。デンマーク戦が、ご覧になれるくらいの体調が、維持されることを祈っています。


間違えました!
カノン
すみません。
前掲の書き込み、間違えました。
29日は、パラグアイ戦でした。

サッカーファンの皆さま、ごめんなさい!


あんず
患者視点で考えると、やっぱり少しでも長く話をしてくれるほうが嬉しいのですよね。中身は案外、たわいない内容でも、たとえ2時間待っても、30分話してもらえたら満足できそうです。

再発しているがん友は都内のがん拠点病院のひとつに通院してますが、いまだに医師がPCのモニタしか見てないそう。そして「統計学的には、あなたの余命は2年です」と言ったんですって。そういう医師こそ精神科にかかったほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか?診たくない?

正しいだけでは、十分ではない。
のっぽ187
あんずさん

僕は、診察時間が長めなこともあって、患者さんの評判は悪くないと思うのですが、業務をこなすという点では、「もう少し、手早く診ないと。」と思うこともあります。

>いまだに医師がPCのモニタしか見てないそう。

電子カルテが導入されて、さらにその傾向は強くなったと思います。

>そして「統計学的には、あなたの余命は2年です」と言ったんですって。

正しいことを言っているんだと思います。あえて言うと、医者の仕事は、正しいだけでは、十分でないということですね。

>そういう医師こそ精神科にかかったほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか?診たくない?

僕の力では、どうしようもないと思います。(どうにか出来る人は、そう沢山いないと思います。)

診る人を選ぶことが出来るのであれば、治したいと思っている人を診たいですね。

1人何分が適切か。
のっぽ187
しろさん

>先は長いのですから、今は、ストレスになることは避けられ、免疫力を高められ、ご自信の治療に専念して欲しいです。

分かりました。そうします。

>同じ時間内での、より数多くの患者さんと接して、治る人数と、一人の時間を長くして、治る人数はドチラが多いのでしょう

僕は、その積(掛け算の結果)を最大にするのがプロフェッショナルであると考えています。

とある総合病院で、1人15分で、こなしていたことがあるのですが(予約制でした)、これが今までで一番、効率が良かったように思います。当時を思い起こしても、気持ち良く仕事が出来ていました。

無理しないようにします。
のっぽ187
カノンさん

>患者さんが、のっぽ先生の元に戻られたら、同僚の先生のプライドが傷つきます。

そうですね。僕は、どうも、そういうところのデリカシーに欠けるようです。

>そうなってしまったら、のっぽ先生が診られなくなった時、患者さんたちは、病院を変わらざるを得なくなってしまいます。

それは、まずいですね。

>未来のために、無理なさいませんように。

分かりました。そうします。

>以前、双極性障害Ⅱ型の患者さんを、炭酸リチウムで治療なさって、自殺念慮が消えなかった患者さんが、仕事に復帰するまでに回復した、という記事を拝見した時も、本当にすごい、と思いました。

この1年2ヶ月の間で、意思決定を要することが30回あったとして、その中では、一番いい結果が出たケースでした。(意思決定もピンからキリまであるのですが、患者さんにとって重要な意思決定は、大体、これ位の回数だったかなと思います。)

本田選手のフリーキックも、あの位置から決めることが出来るのは、恐らく20回か30回に1回位ではないか、と思います。

パラグアイ戦
のっぽ187
カノンさん

パラグアイ戦、お蔭様で、最初から最後まで観ました。

日本代表としては、十分な試合内容、結果だったと思います。

個人的には、日本代表云々よりパラグアイ代表の出来が悪かったと思います。パラグアイは、南米予選では、ホームでブラジル、アルゼンチンに勝っているチームですから。



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この記事へのコメント
のっぽ先生、こんにちは。

今回の記事を読んで、私も勇気と誠意をもって仕事と関わっていかなくてはと思いました。
また、仕事でも、生活の中でも、頼まれると一生懸命やってしまう癖があって、それで相手に喜んでもらったときに、一緒に喜んでいるふりをしていたことがあったことに気づきました。

まだまだ本当に手探りで、いつか「いろいろな意味でバランスのとれた暮らし」にたどりつくかもわかりませんが、自分でそれをみつけるしかないので、どうにかこうにか探っていこうと思います。

オキサリプラチン、最小の副作用と最大の効果が出ますように。
2010/06/27(Sun) 09:56 | URL  | whitekite #-[ 編集]
勇気と誠意をもって
whitekiteさん

「程よい程度の仕事をする。」というのは、癌を指摘される前からの目標でしたが、これを実践するのは意外と難しいです。

僕ら癌患者は、「出来ないと思われる仕事を断る勇気」と以前から持ち合わせている誠意(whitekiteさんは十分、これをお持ちだと思います。)を持って仕事に臨むべきなんだと思います。

>また、仕事でも、生活の中でも、頼まれると一生懸命やってしまう癖があって、

これは、素晴らしいと思います(僕も、そういう傾向があります)。しかし、再発の可能性のある癌患者にとって、無理は禁物なので、「勇気を持って断る。」というのが一番いい選択ではないか、と僕は考えています。

>いつか「いろいろな意味でバランスのとれた暮らし」にたどりつくかもわかりませんが、自分でそれをみつけるしかないので、どうにかこうにか探っていこうと思います。

「そうしよう。」と本当に思って、取り組んだ場合は、数年の時間を経て、それを自分のものに出来ることが多いと僕は考えています。

>オキサリプラチン、最小の副作用と最大の効果が出ますように。

有難うございます。まさに、そうあることを僕も願っています。
2010/06/27(Sun) 15:21 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
のっぽ187先生

悩ましかったですね、
何事にも時期があると思います。ストレスがあるとドンドン仕事が出来る時と、妨げになるとき、
今は後者の方ですよね、
先は長いのですから、今は、ストレスになることは避けられ、免疫力を高められ、
ご自信の治療に専念して欲しいです。

病院の、数をこなす考え方は、嫌です、さし置いて
同じ時間内での、
より数多くの患者さんと接して、治る人数と、
一人の時間を長くして、治る人数はドチラが多いのでしょう
この仮定比較には、無理がありそうですね、

次のオキサリプラチン点滴と、クロノテラピー試行、効果が、
なにとぞ、うまくいきますように 願ってます。
2010/06/27(Sun) 23:27 | URL  | しろ #-[ 編集]
未来のために
患者さんに、それだけ頼りにされていらっしゃるというのは、素晴らしい!の一言に尽きます。
以前、双極性障害Ⅱ型の患者さんを、炭酸リチウムで治療なさって、自殺念慮が消えなかった患者さんが、仕事に復帰するまでに回復した、という記事を拝見した時も、本当にすごい、と思いました。
本田選手のフリーキックみたいです(笑)。

できることならば、ご家族の方々の希望を叶えて差し上げたいと、その方法も、あれこれ考えられたかと思いますが、確かに難しいですよね。
患者さんが、のっぽ先生の元に戻られたら、同僚の先生のプライドが傷つきます。そうなってしまったら、のっぽ先生が診られなくなった時、患者さんたちは、病院を変わらざるを得なくなってしまいます。責任感が強くていらっしゃいますから、そういう事態は耐えられないことでしょう。

今は、ご自身が大切になさっているものを手放されても、必要なものは必ず帰ってくる、と思います。
のっぽ先生は、年を重ねるごとに、きっと良い精神科医さんになられます。未来のために、無理なさいませんように。
あっという間に、また治療が始まってしまいますね。デンマーク戦が、ご覧になれるくらいの体調が、維持されることを祈っています。
2010/06/27(Sun) 23:55 | URL  | カノン #-[ 編集]
間違えました!
すみません。
前掲の書き込み、間違えました。
29日は、パラグアイ戦でした。

サッカーファンの皆さま、ごめんなさい!
2010/06/28(Mon) 12:52 | URL  | カノン #-[ 編集]
患者視点で考えると、やっぱり少しでも長く話をしてくれるほうが嬉しいのですよね。中身は案外、たわいない内容でも、たとえ2時間待っても、30分話してもらえたら満足できそうです。

再発しているがん友は都内のがん拠点病院のひとつに通院してますが、いまだに医師がPCのモニタしか見てないそう。そして「統計学的には、あなたの余命は2年です」と言ったんですって。そういう医師こそ精神科にかかったほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか?診たくない?
2010/06/28(Mon) 19:12 | URL  | あんず #z8283xuI[ 編集]
正しいだけでは、十分ではない。
あんずさん

僕は、診察時間が長めなこともあって、患者さんの評判は悪くないと思うのですが、業務をこなすという点では、「もう少し、手早く診ないと。」と思うこともあります。

>いまだに医師がPCのモニタしか見てないそう。

電子カルテが導入されて、さらにその傾向は強くなったと思います。

>そして「統計学的には、あなたの余命は2年です」と言ったんですって。

正しいことを言っているんだと思います。あえて言うと、医者の仕事は、正しいだけでは、十分でないということですね。

>そういう医師こそ精神科にかかったほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか?診たくない?

僕の力では、どうしようもないと思います。(どうにか出来る人は、そう沢山いないと思います。)

診る人を選ぶことが出来るのであれば、治したいと思っている人を診たいですね。
2010/07/02(Fri) 19:53 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
1人何分が適切か。
しろさん

>先は長いのですから、今は、ストレスになることは避けられ、免疫力を高められ、ご自信の治療に専念して欲しいです。

分かりました。そうします。

>同じ時間内での、より数多くの患者さんと接して、治る人数と、一人の時間を長くして、治る人数はドチラが多いのでしょう

僕は、その積(掛け算の結果)を最大にするのがプロフェッショナルであると考えています。

とある総合病院で、1人15分で、こなしていたことがあるのですが(予約制でした)、これが今までで一番、効率が良かったように思います。当時を思い起こしても、気持ち良く仕事が出来ていました。
2010/07/03(Sat) 01:27 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
無理しないようにします。
カノンさん

>患者さんが、のっぽ先生の元に戻られたら、同僚の先生のプライドが傷つきます。

そうですね。僕は、どうも、そういうところのデリカシーに欠けるようです。

>そうなってしまったら、のっぽ先生が診られなくなった時、患者さんたちは、病院を変わらざるを得なくなってしまいます。

それは、まずいですね。

>未来のために、無理なさいませんように。

分かりました。そうします。

>以前、双極性障害Ⅱ型の患者さんを、炭酸リチウムで治療なさって、自殺念慮が消えなかった患者さんが、仕事に復帰するまでに回復した、という記事を拝見した時も、本当にすごい、と思いました。

この1年2ヶ月の間で、意思決定を要することが30回あったとして、その中では、一番いい結果が出たケースでした。(意思決定もピンからキリまであるのですが、患者さんにとって重要な意思決定は、大体、これ位の回数だったかなと思います。)

本田選手のフリーキックも、あの位置から決めることが出来るのは、恐らく20回か30回に1回位ではないか、と思います。
2010/07/03(Sat) 01:43 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
パラグアイ戦
カノンさん

パラグアイ戦、お蔭様で、最初から最後まで観ました。

日本代表としては、十分な試合内容、結果だったと思います。

個人的には、日本代表云々よりパラグアイ代表の出来が悪かったと思います。パラグアイは、南米予選では、ホームでブラジル、アルゼンチンに勝っているチームですから。

2010/07/03(Sat) 01:50 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
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