癌との共存を目指しています。
夕方くらいから体調が戻っている。夕食を実家で摂り、自宅に戻る。全身倦怠感、吐気、食思不振などは取れたが、下痢だけは続いている。5-FU(抗癌剤)の副作用だろう。僕の場合、他の患者さんと違い、大腸を全部、取ってしまっているので、下痢の程度が強い。大腸がないと、水分の吸収が不十分なので、常時、水様~泥状便なのだが、これに5-FUの副作用が加わり、更に症状が強くなる。また、大腸は水分のみならず腸液の吸収もしているようである。腸液が大腸で吸収されずに肛門に直接、辿り着くと、皮膚がかぶれて痛い。こんなこと、手術を受けるまで、からっきし知らなかったのだが、結構、重要なことである。大腸ポリポーシスがあり大腸全摘を自分で選んだのではあるが、肛門周囲の皮膚がかぶれるのは辛い。どれくらい辛いかと言うと、昼の日中に「うお~っ、痛て~。」と部屋の中で叫んでしまうくらいである。排便後は、クリーム(コンバテック社のが良い。他を圧倒的に凌駕している。)を塗って、油を弾くスプレー(販売名 花王プロテクトオイル)を肛門部に吹き掛けるということをしている。
化学療法中、しんどい時は、自宅に帰り、靴下を脱ぐ元気もなかった。自宅に辿り着き、綿のマットの上にばたっと倒れ込む。便意がすると、寝返りを打ちながら、なるべく上手におならをこいで、便意をやり過ごすようにしていた。それでも「これは駄目だ。便をするしかない。」という時は、ふらふらになりながら、トイレに行き、用を足す。用を足した後、(本当は毎回するべきなのだが)お尻が痛い時は仕方なく、クリームを塗り、スプレーを吹き掛け、マットの上にばたっと倒れ込む。こんな感じであった。左手の薬指でいつも肛門部にクリームを塗っているのだが、しんどい時は、クリームを塗り終えた状態のまま倒れ込み、そのまま、2時間くらい眠ってしまう日々であった。まあ、そんな状態でも、左手の薬指で物を触らないように気を配っているのだが。

大腸全摘術を受けた人は少ないのか、ブログ、ホームページを開いている患者さんは少ない。しかし、その中でhttp://www.nanbyou.net/uc/(踊れ!難病患者)のサイトは素晴らしい。潰瘍性大腸炎で大腸全摘術を受けた方が運営されているホームページである。医療関係者ではないようだが、病そのものについてから、治療方法、術後のケア、医療費の問題に至るまで幅広く情報が網羅されている。情報そのものも的確で(少なくとも僕が読む限りで、これはちょっと違うのではないかな、というのは見当たらない)、運営者の優れた理解力、色んな人と仲良くでき、その結果、幅広い情報を収集できていることに心から敬意を表したいと思う。

最近、医療の現場で行われているインフォームド・コンセント(説明と同意)もしくはインフォームド・チョイス(説明と選択)は、なかなか難しいものだな、と痛感している。僕のような医療者でさえ、後になって、「ああ、大腸を全摘する、ということは、そういうことなのか。」と気付く次第である。まして、癌を告知されて、図書館や本屋さんに行って、その関係の本を手に入れ、冷静に分析するなどということは普通の人にはとても出来ることであるとは思えない。少なくとも、僕は、頭が真っ白になり、茫然自失としていた。2008年3月17日は、日本のマーケット(株式市場)は大底を叩いていたようであるが、あの日、僕は何をして一日を過ごしていたのか全く記憶に無い。

家族性大腸ポリポーシスは、17000~18000人に一人の割合で日本国内には存在するのだという。大腸全摘術を受けようという人、大腸癌の治療を受けようという人、今まさに告知をされたという人にとって、有益な情報を発信できるようなブログにしていきたい、と思う。

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【2008/07/28 21:42】 | 自分の体
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うさみみ
プロの書いた本より、個人のブログの方がはるかに面白いです。

みんあ体験談が欲しいんじゃないでしょうか。

知識は勉強すればある程度身につきますが、体験者の発するメッセージって結構、こころに響くことがありますよね。

そんないいブログにであえるといいですね(^^♪


患者の体験
のっぽ187
うさみみさん

同感です。

患者の体験というのは、意外ときちんと体系立った形で纏められているものが少ないと思います。

あと、体験者の発するメッセージは心に響きますね。うさみみさんもそうかも知れませんが、最近の僕は、「ああ、そうだったな。」といった共感が多いですね。

大変でしたね・・・
カノン
大変な5日間、本当にお疲れ様でした。
やはり、相当きつかったのですね。

ご本人がもちろん一番つらいのですが、大事な家族が痩せていく
のを側で見ているのもつらかったので、お身体の欲するものを、
どうぞいっぱい召し上がってくださいね。

実は、みづきさんのブログから、こちらのブログにたどり着きました。
いま、みづきさんのブログはハラハラしながら拝見しています。

先日、NHKのクローズアップ現代で、「医療を変える患者の“語り”」が
放映されました。イギリスが進んでいるのですが、日本でも前立腺がんと
乳がんの患者さん50人ずつの語りを、インターネットで紹介する準備を
している、といっていたように思います。
その番組の中で、一人の方が、お医者さんにとっては、取るに足らない
心配や不安も、患者にとっては大きなことだ、と話していました(きちんと
覚えていなくてすみません)。

これから、この試みも進んでいくと思います。
大腸がんの患者さんの収録の番になりましたら、ぜひ貴重な体験を
語っていただきたいです。重要な選択をするときに、術後のQOLに
ついて、それぞれの場合の説明がなかったこと、その結果、日常生活
に支障をきたしていることなど、選択に悩んでいる方々にとって
どれほど大事な情報になるかわかりません。
しかも、専門外とはいえ、医療の現場にいらした方の体験なのですから。

いま感じていらっしゃる使命を見事に果たすためにも、これからの
体調のよい日々を楽しんでくださいね。


良い道標になりたいですね。
のっぽ187
カノンさん

正直、5日間、きつかったですね。化学療法によって生じる害は、だいぶ、個人差がある、といいます。他の方のブログでは、僕と同じ化学療法を受けていて、仕事を続けている、という記載があるので、個人差はだいぶ大きいと思います。

とは言え、何とか食事は、そこそこに摂って、体力を維持したいなと思います。

みづきさんのブログから、こちらにいらしたのですね。みづきさんのブログには、一度、書き込みをしたことがあります。
今年の5月1日に僕は退院しているのですが、退院して間もない頃、みづきさんのブログを何度か拝見しました。素晴らしい方だなと思う一方、僕と発症の時期(34,5歳で発症)、部位(直腸)が同じなので、自分に重ねて、経過を見ていました。正直、最近は、ミヅキさんのところに(怖くて)行けていないのですが、一時のシビアな状態を脱してからの生命力には、本当に驚きました。すごい、の一言に尽きると思います。

医者と患者の立ち位置が違うのは、痛感するところです。5ヶ月前までは、医者でしたから。
(良心的な)医者は、治療の効果、再発の予防というところに目が行きがちです。僕もそうでした。
しかし、患者にとっては、治療の効果が上がっているときも上がっていないときも日々自分の体と向き合って行かないといけませんから、治療の効果以外にも重要なことはたくさんあります。代表的なところでは、治療に伴って生じる害の大きさですね。

癌を告知された時点で術後の生活まで考えが及ぶ人は稀だと思います。そういう意味でも、パニックに陥っている人が良い判断が出来るような「助け」になりたいと思います。
インタビューを受ける機会があれば、是非、応じたいですね。後から、その道を通る人にとっての良い道標となるのは、僕の願うところです。

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ブログ
プロの書いた本より、個人のブログの方がはるかに面白いです。

みんあ体験談が欲しいんじゃないでしょうか。

知識は勉強すればある程度身につきますが、体験者の発するメッセージって結構、こころに響くことがありますよね。

そんないいブログにであえるといいですね(^^♪
2008/07/28(Mon) 22:18 | URL  | うさみみ #-[ 編集]
患者の体験
うさみみさん

同感です。

患者の体験というのは、意外ときちんと体系立った形で纏められているものが少ないと思います。

あと、体験者の発するメッセージは心に響きますね。うさみみさんもそうかも知れませんが、最近の僕は、「ああ、そうだったな。」といった共感が多いですね。
2008/07/28(Mon) 22:45 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
大変でしたね・・・
大変な5日間、本当にお疲れ様でした。
やはり、相当きつかったのですね。

ご本人がもちろん一番つらいのですが、大事な家族が痩せていく
のを側で見ているのもつらかったので、お身体の欲するものを、
どうぞいっぱい召し上がってくださいね。

実は、みづきさんのブログから、こちらのブログにたどり着きました。
いま、みづきさんのブログはハラハラしながら拝見しています。

先日、NHKのクローズアップ現代で、「医療を変える患者の“語り”」が
放映されました。イギリスが進んでいるのですが、日本でも前立腺がんと
乳がんの患者さん50人ずつの語りを、インターネットで紹介する準備を
している、といっていたように思います。
その番組の中で、一人の方が、お医者さんにとっては、取るに足らない
心配や不安も、患者にとっては大きなことだ、と話していました(きちんと
覚えていなくてすみません)。

これから、この試みも進んでいくと思います。
大腸がんの患者さんの収録の番になりましたら、ぜひ貴重な体験を
語っていただきたいです。重要な選択をするときに、術後のQOLに
ついて、それぞれの場合の説明がなかったこと、その結果、日常生活
に支障をきたしていることなど、選択に悩んでいる方々にとって
どれほど大事な情報になるかわかりません。
しかも、専門外とはいえ、医療の現場にいらした方の体験なのですから。

いま感じていらっしゃる使命を見事に果たすためにも、これからの
体調のよい日々を楽しんでくださいね。
2008/07/29(Tue) 00:29 | URL  | カノン #-[ 編集]
良い道標になりたいですね。
カノンさん

正直、5日間、きつかったですね。化学療法によって生じる害は、だいぶ、個人差がある、といいます。他の方のブログでは、僕と同じ化学療法を受けていて、仕事を続けている、という記載があるので、個人差はだいぶ大きいと思います。

とは言え、何とか食事は、そこそこに摂って、体力を維持したいなと思います。

みづきさんのブログから、こちらにいらしたのですね。みづきさんのブログには、一度、書き込みをしたことがあります。
今年の5月1日に僕は退院しているのですが、退院して間もない頃、みづきさんのブログを何度か拝見しました。素晴らしい方だなと思う一方、僕と発症の時期(34,5歳で発症)、部位(直腸)が同じなので、自分に重ねて、経過を見ていました。正直、最近は、ミヅキさんのところに(怖くて)行けていないのですが、一時のシビアな状態を脱してからの生命力には、本当に驚きました。すごい、の一言に尽きると思います。

医者と患者の立ち位置が違うのは、痛感するところです。5ヶ月前までは、医者でしたから。
(良心的な)医者は、治療の効果、再発の予防というところに目が行きがちです。僕もそうでした。
しかし、患者にとっては、治療の効果が上がっているときも上がっていないときも日々自分の体と向き合って行かないといけませんから、治療の効果以外にも重要なことはたくさんあります。代表的なところでは、治療に伴って生じる害の大きさですね。

癌を告知された時点で術後の生活まで考えが及ぶ人は稀だと思います。そういう意味でも、パニックに陥っている人が良い判断が出来るような「助け」になりたいと思います。
インタビューを受ける機会があれば、是非、応じたいですね。後から、その道を通る人にとっての良い道標となるのは、僕の願うところです。
2008/07/29(Tue) 14:13 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
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