癌との共存を目指しています。
僕の外来に来られる方には、大きく分けると二つのパターンがある。一つは、本人の病状は、そこそこ(中等症)なのだが、配偶者(特にご主人さん)が大変、しっかりしているので、通院を続けられているケース。もう一つは、一人でいらっしゃるケース。
前者は、中高年(40歳代から70歳代前半)の女性の患者さん、後者は、20歳代から50歳前半で性別の比率は男性と女性は半分半分くらい。後者については、20歳代、30歳代は女性の方が多く、男性は40歳代、50歳代が多い。(40歳代、50歳代の男性は土曜日に診ている。)

以上から明らかなように、女性の患者さんの比率が高い。7,8割が女性である。一つは、僕が再診の方を原則、平日に診ているからだろう。

自分が一人で病院に通っていることもあり、僕は一人で来る患者さんが好きなのだが、家族が連れて来ているケースは、きちんと説明せざるを得ず、結果、よりきちんとした診療となる。(どの患者さんにも、きちんと説明するべきなのだが、そんなことをしていると、仕事が終わらないので、手を抜けるところでは抜かないといけない。厚生労働省には、この事態の早期の改善を望む。)

配偶者(ご主人さん)が本人を連れて来ているケースは、連れて来ているご主人さんが「旦那」という感じの方が多い。平日に奥さんを、多くの場合、車で連れて来ているのだから、その時点で、「旦那」なんだろう。

一方、一人で来られる方は、自転車で来ている方、電車とバスを乗り継いで来られる方と様々である。自分の意思で来ていることが何となく、こちらにも伝わって来て、好感が持てる。

毎日新聞http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091020-00000047-mai-sociより抜粋する。

<貧困率>日本15.7% 先進国で際立つ高水準

長妻昭厚生労働相は20日、国民の貧困層の割合を示す指標である「相対的貧困率」が、06年時点で15.7%だったと発表した。日本政府として貧困率を算出したのは初めて。経済協力開発機構(OECD)が報告した03年のデータでは、日本は加盟30カ国中4番目に悪い27位の14.9%で状況は悪化している。日本の貧困が先進諸国で際立っていることが浮き彫りとなった。

 相対的貧困率は、国民の所得分布の中央値と比較して、半分に満たない国民の割合。今回はOECDの算出方法を踏襲した。06年の子供(17歳以下)の相対的貧困率も14.2%で、03年のOECDデータの13.7%(30カ国中19位)より悪化している。

 03年OECDデータで貧困率が最も高いのは、メキシコの18.4%で、トルコ17.5%、米国17.1%と続く。最も低いのはデンマークとスウェーデンの5.3%。(抜粋終わり)

10数年振りに地元(自分が育ったところ)に戻って来て、「貧しい人の比率が増えたのではないか。」と思っていたのだが、上記の結果は、それを支持している。03年より06年、06年より09年の方が事態が悪化しているだろうから、現在は、もっと悪い状況だろう。

精神科医療と貧困の問題は密接な関係があるので、いつも気に掛かるところではあるが、僕が外来で診ている方は、「平日の昼間に病院に通える(豊かな)方」なのかも知れない。

新しい抗うつ薬(ミルタザピン)が当院で使えるようになったのは、とても喜ばしいことだが、それ以上に多くの方が、その恩恵を受けられることを願ってやまない。(今の医師数で、多くの方が外来に来られたら、それはそれで困るのだが。)

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【2009/10/21 01:12】 | 思ったこと
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必要なのは教育です
暇人
貧困は、自民党と教育官僚によって作られました。
自殺も生活困窮も国家衰退も、デタラメな教育政策から生まれています。受験競争で時代遅れの知識を詰め込まされ、世界最低の大学に進学すれば、生活に困窮し自殺者が出るのは当然です。
「おバカ教育の構造」を読んでご覧なさい。
だから、日本各地から、市民による教育革命運動が始まろうとしています。
それが、生き延びるために必要であるからです。


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問題のありかは明確ですが。
のっぽ187
暇人さん

教育に大きな問題があることは、僕も同意見です。選挙で国会議員を選ぶ、本当の意味を知ったのは、僕も30を過ぎてからでした。

とは言え、教育する内容を変えるのは、いろいろと抵抗がありそうです。古文や漢文を教えるのを止めるとすれば、古文や漢文を教えている先生の仕事を奪ってしまうことになる訳ですから。(古文や漢文の先生の既得権益を奪ってしまう。)

問題のありかは明確ですが、対策は難しいと思います。

きっと何とかなるでしょう。
のっぽ187
2番目にコメントをされた方へ

そこそこ、忙しく過ごしています。

新型インフルエンザウィルスへの対応は、多くの医療機関にとって負担が大きいものとなっているようですね。

精神科は一人ひとりの診察時間が長くなりがちで、なかなか手を抜きにくいです。需要も増える一方なのですが、少なくとも今、勤めている病院は医師数の減少が見込まれています。(辞める先生が何人かいます。)

どうなるのか予想はつかないのですが、その場その場でベストを尽くしたいな、と思っています。

撲滅!貧困ビジネス
カノン
最近は別の意味で、医療と貧困の問題は、深刻ですね。
奈良の山本病院の貧困ビジネスも、相当あくどいです。高齢ですと、生保の患者さんは、身寄りがいないことも多いですし、どんな高額の治療をしても、国が支払う限りにおいては、回収できないことがないですものね。
のっぽ先生も、ブログには書けないようなことを、見聞きしていらっしゃるであろうと(今の病院のことではなく)心配です。

貧困を精神科医療の分野で捉える以外にも、いろいろな角度から、貧困について考えることが、のっぽ先生のライフワークの1つだ、と思います。
ともすれば、高所得者である医師が、低所得者について語ると、反発を招くこともあるかもしれません。
しかし、のっぽ先生の場合、決して他人事ではなく、ある切迫感を覚えていらした時期が確かにあって(食べられなくなる不安を書いていらっしゃいました)、現在もある種の危機感を抱いていらして、その切実な想いが、思考の根底に流れているのかなあ、と思います。

本旨とずれますが、旦那さんに連れてこられる奥さんって、どうなんでしょう。場合によっては、それが原因ということはないのでしょうか。
何かで、うつの背景には怒りがある、と読んだことがあります。本来、相手に向けるべき怒りが、自分に向いてしまってうつになる、ということだったかと思います。夫に対する怒りを、抑圧してしまったことで、妻がうつになっているとしますと、その相手に保護されているというのは、一層無力感を深めるような気がします。
完全に想像の世界というか、妄想の世界で、申し訳ありません(笑)。

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身近な問題
のっぽ187
カノンさん

僕は、それ程、裕福でない家庭に育ったので、「貧困」は僕にとって身近なものでした。また、抗癌剤治療を受けている間は、働ける体調になかったので、収入が途絶える恐怖も味わいました。加えて、診ている患者さんに貧困層の方がいるので、今でも「貧困」の問題は、とても身近に感じます。

借金に追われ、海に飛び込んだ方が救助され、救急車で運ばれて来ました。この方に必要なのは、うつ病の診断でも、抗うつ薬の処方でもなくて、生活保護の申請でしょう。(もちろん、抗うつ薬が必要な場合もあるでしょうが。)

統合失調症や躁うつ病の奥さんを看ているご主人さんは、本当に偉いと思います。ただ、4週間に一度、10分か15分、話を聞くだけでは、なかなか深いところまでは分からない、というのが正直なところです。

お返事です。
のっぽ187
4番目にコメントをされた方へ

初めまして。

御家族の方の本当の診断名(アセスメント)が何なのか分からないのですが、躁うつ病と考えて、お返事します。(気分障害というカテゴリーの中に、うつ病や躁うつ病があります。)

僕は、気分障害の方、パニック障害の方には、そうでない方と同様に接するのが良いと考えています。(もちろん、ケースバイケースなのですが、原則は、それで良いと考えています。)

躁うつ病であれば、気分の波を抑える、すなわち、躁病相、うつ病相の出現を抑えることが第一です。気分安定薬(炭酸リチウムなど)をきちんと飲んでもらうことが第一だと思います。

家族の対応については、「こうするのが良い。」といったものはないと思います。

躁うつ病のホームページ http://square.umin.ac.jp/tadafumi/ は、きちんとしたことが書いてあります。作者の加藤忠史先生は、躁うつ病の研究をされている方です。躁うつ病について知るには、このホームページが良いと思います。(他にも、良いサイトは、あると思うのですが、僕は知らないです。)

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この記事へのコメント
必要なのは教育です
貧困は、自民党と教育官僚によって作られました。
自殺も生活困窮も国家衰退も、デタラメな教育政策から生まれています。受験競争で時代遅れの知識を詰め込まされ、世界最低の大学に進学すれば、生活に困窮し自殺者が出るのは当然です。
「おバカ教育の構造」を読んでご覧なさい。
だから、日本各地から、市民による教育革命運動が始まろうとしています。
それが、生き延びるために必要であるからです。
2009/10/21(Wed) 23:25 | URL  | 暇人 #mQop/nM.[ 編集]
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2009/10/22(Thu) 13:38 |   |  #[ 編集]
問題のありかは明確ですが。
暇人さん

教育に大きな問題があることは、僕も同意見です。選挙で国会議員を選ぶ、本当の意味を知ったのは、僕も30を過ぎてからでした。

とは言え、教育する内容を変えるのは、いろいろと抵抗がありそうです。古文や漢文を教えるのを止めるとすれば、古文や漢文を教えている先生の仕事を奪ってしまうことになる訳ですから。(古文や漢文の先生の既得権益を奪ってしまう。)

問題のありかは明確ですが、対策は難しいと思います。
2009/10/22(Thu) 19:46 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
きっと何とかなるでしょう。
2番目にコメントをされた方へ

そこそこ、忙しく過ごしています。

新型インフルエンザウィルスへの対応は、多くの医療機関にとって負担が大きいものとなっているようですね。

精神科は一人ひとりの診察時間が長くなりがちで、なかなか手を抜きにくいです。需要も増える一方なのですが、少なくとも今、勤めている病院は医師数の減少が見込まれています。(辞める先生が何人かいます。)

どうなるのか予想はつかないのですが、その場その場でベストを尽くしたいな、と思っています。
2009/10/22(Thu) 20:00 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
撲滅!貧困ビジネス
最近は別の意味で、医療と貧困の問題は、深刻ですね。
奈良の山本病院の貧困ビジネスも、相当あくどいです。高齢ですと、生保の患者さんは、身寄りがいないことも多いですし、どんな高額の治療をしても、国が支払う限りにおいては、回収できないことがないですものね。
のっぽ先生も、ブログには書けないようなことを、見聞きしていらっしゃるであろうと(今の病院のことではなく)心配です。

貧困を精神科医療の分野で捉える以外にも、いろいろな角度から、貧困について考えることが、のっぽ先生のライフワークの1つだ、と思います。
ともすれば、高所得者である医師が、低所得者について語ると、反発を招くこともあるかもしれません。
しかし、のっぽ先生の場合、決して他人事ではなく、ある切迫感を覚えていらした時期が確かにあって(食べられなくなる不安を書いていらっしゃいました)、現在もある種の危機感を抱いていらして、その切実な想いが、思考の根底に流れているのかなあ、と思います。

本旨とずれますが、旦那さんに連れてこられる奥さんって、どうなんでしょう。場合によっては、それが原因ということはないのでしょうか。
何かで、うつの背景には怒りがある、と読んだことがあります。本来、相手に向けるべき怒りが、自分に向いてしまってうつになる、ということだったかと思います。夫に対する怒りを、抑圧してしまったことで、妻がうつになっているとしますと、その相手に保護されているというのは、一層無力感を深めるような気がします。
完全に想像の世界というか、妄想の世界で、申し訳ありません(笑)。
2009/10/22(Thu) 23:00 | URL  | カノン #-[ 編集]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/23(Fri) 22:27 |   |  #[ 編集]
身近な問題
カノンさん

僕は、それ程、裕福でない家庭に育ったので、「貧困」は僕にとって身近なものでした。また、抗癌剤治療を受けている間は、働ける体調になかったので、収入が途絶える恐怖も味わいました。加えて、診ている患者さんに貧困層の方がいるので、今でも「貧困」の問題は、とても身近に感じます。

借金に追われ、海に飛び込んだ方が救助され、救急車で運ばれて来ました。この方に必要なのは、うつ病の診断でも、抗うつ薬の処方でもなくて、生活保護の申請でしょう。(もちろん、抗うつ薬が必要な場合もあるでしょうが。)

統合失調症や躁うつ病の奥さんを看ているご主人さんは、本当に偉いと思います。ただ、4週間に一度、10分か15分、話を聞くだけでは、なかなか深いところまでは分からない、というのが正直なところです。
2009/10/28(Wed) 23:01 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
お返事です。
4番目にコメントをされた方へ

初めまして。

御家族の方の本当の診断名(アセスメント)が何なのか分からないのですが、躁うつ病と考えて、お返事します。(気分障害というカテゴリーの中に、うつ病や躁うつ病があります。)

僕は、気分障害の方、パニック障害の方には、そうでない方と同様に接するのが良いと考えています。(もちろん、ケースバイケースなのですが、原則は、それで良いと考えています。)

躁うつ病であれば、気分の波を抑える、すなわち、躁病相、うつ病相の出現を抑えることが第一です。気分安定薬(炭酸リチウムなど)をきちんと飲んでもらうことが第一だと思います。

家族の対応については、「こうするのが良い。」といったものはないと思います。

躁うつ病のホームページ http://square.umin.ac.jp/tadafumi/ は、きちんとしたことが書いてあります。作者の加藤忠史先生は、躁うつ病の研究をされている方です。躁うつ病について知るには、このホームページが良いと思います。(他にも、良いサイトは、あると思うのですが、僕は知らないです。)
2009/10/28(Wed) 23:33 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
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