癌との共存を目指しています。
せっかく、テンプレートを変えたのに、気の滅入る話で恐縮です。

昨年11月20日に抗癌剤治療を受けに病院に行った際、化学療法担当の薬剤師さんと話す機会があった。「オキサリプラチン(エルプラット)は、どうして100mgのバイアル(瓶)しかないのか。」と、その薬剤師さんに尋ねた。薬剤師さんによると、日本でオキサリプラチンを販売しているのは、ヤクルト本社で、現時点では100mgのバイアルしか販売していない、という。当時、僕は1回50mgの投与を受けていたのだが、100mgのバイアルを空け、50mg分、使ったら、あとは捨ててしまう、という。1バイアル70544円なので、3割負担で21000円強となる。どうにかならないものか、と思い、薬剤師さんに「ヤクルトのMR(営業)の人に、50mgのバイアルを作るように、患者から要望があった、と伝えておいて下さい。」と言った。薬剤師さんは「分かりました。」と言い、その場は、それで終わった。

近い将来、オキサリプラチンをまた使い始めることが予想されるので、ヤクルト本社に電話を掛けてみることにした。ホームページ上に、薬を販売する部門への連絡先が載っていなかったので、まずは、お客様相談センターに電話をした。「エルプラットについて、お伺いしたいことがあるのですが。」と言うと、すぐさま医薬○○支店の電話番号を教えてくれた。早速、そちらに電話をし、「大腸癌の患者で、エルプラットについてお伺いしたいことがあるのですが。」と言うと、比較的、上の立場にあると思われる男性が電話に出て来た。
結論から言うと、オキサリプラチン(エルプラット)の50mgのバイアルは、今年の1月19日に発売になったという。なお、薬価は38200円で、この価格については、厚生労働省が設定した、とのこと。この件については、正直、有難いな、と思った。(薬価は全般に高めだが。)
しかし、やり取りについては、ヤクルトサイドは親切とは言い難く、有用な情報は何も得られなかった。オキサリプラチンの血中動態(血液中で、その薬がどういう振る舞いをするか。平たく言うと、体内にどれ位、長く留まっているのかを聞きたかった。)を尋ねようとすると、「我々は、個人情報は聞いてはいけないことになっています。」(細かい言葉は違うかも知れないが、趣旨は、こうだった。)と言い、薬の件については主治医の先生に聞いて下さい、という。また、薬価について尋ねた時も、どうして、そのようなことを聞くのか、と言われた。(随分、失礼なことを言うものである。)「薬代が高く・・・。」と言うと、主治医の先生に聞いて下さい、と言う。「主治医の先生は、忙しくて、限られた診察時間では、薬の副作用をお伝えして、用量を設定することくらいしか出来ない。」と言うと、薬価の話は重要な話なので、主治医の先生は時間を割いて話をしてくれているはずだ、という。(そういう趣旨のことを言っていた。)
あまりに不親切なので、「私、医者なのですが。」と言うと、少し態度が変わったが(正直、それにも腹が立った)、有用な情報は全くこちらに伝えてもらえなかった。
ヤクルトサイドの言い分としては、「患者に情報を提示するのは、私達は、禁じられている。」ということだった。当初は、それについて「患者が混乱するといけないから。」と言っていたが(随分、患者を馬鹿にした発言である)、主治医は忙しく、診察の時間を多くは取れないようだ、と言うと、あとは「患者に情報を提示することは、私達は、禁じられている。」の一点張りだった。

医者は忙しくて、薬価や薬物動態について説明をする時間が取れない(主治医に少し込み入ったことを尋ねると、「自分で調べて下さい。」と言われる)、かと言って、製薬会社に直接、尋ねると、「私達は患者に情報を提示することは禁じられている。」と言う。
僕は、本業の精神科診療を通じて、製薬会社の方と話す機会は、これまでにたくさんあったのだが、正直、製薬会社にいい印象を持っていなかった。(個人レベルでは、素敵な人はたくさんいたが。)しかし、今日の電話でのやり取りを通じて、「不親切」の壁は、かなり厚いな、と思った。

今後、僕ら患者が具体的に出来ることと言えば、次の選挙で医療費を増やす意図が明らかである政党に投票することであり、僕としては、自分がしたこと、思ったをこうしてブログに書くことだろう。

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【2009/01/23 13:54】 | 自分の体
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No title
とも
こんばんは。
私も似たような経験がありますよ。
気になることがあればメーカーさんに電話をしたりしていましたが、自分が知りたい情報を知ることが出来ないことが多かったです。患者に情報を提供しないことの方が不安を与えるのではないかと思うのですが…

てか、薬価が高すぎですね…。
たしかに、どうやって薬価を決めているのか知りたいです。

電話は丁寧に対応するように私も心がけます。

No title
anjazz
製薬会社は患者は患者の方を向かずに,認可や薬を仕入れてくれる方を向いている印象を持ちました。このような姿勢では副作用の少ない良薬の開発は遅々として進まないような気がして残念です。

メーカーさんは・・・。
のっぽ187
こんばんは

>気になることがあればメーカーさんに電話をしたりしていましたが、自分が知りたい情報を知ることが出来ないことが多かったです。

精神科医をしていた頃から、「肝心なことは言わないなあ、この人達は。」と思っていました。

>患者に情報を提供しないことの方が不安を与えるのではないかと思うのですが…

「患者が混乱するといけないから。」は、失言だと思います。ともさんが指摘される通りだと思います。

薬価は、僕も高過ぎだと思います。ほんと、どうやって薬価って決めているのでしょう。先に、その薬を使っている国と同じくらいの薬価にしているのでしょうか。

>電話は丁寧に対応するように私も心がけます。

きっと、ともさんは丁寧に対応されていると思います。

製薬会社の姿勢
のっぽ187
anjazzさん

>製薬会社は患者の方を向かずに,認可や薬を仕入れてくれる方を向いている印象を持ちました。

全くもって同感です。

>このような姿勢では副作用の少ない良薬の開発は遅々として進まないような気がして残念です。

そうですね。それに既存の薬(エルプラット、 カンプトをヤクルト本社は出している)について、少ない量で効果があったという報告をしたがらないのではないか(そんな報告をしたら、売り上げが落ちてしまう)、と勘繰ってしまいます。


RainBow
この記事を読んで、製薬会社もやはり利益が大事なんだなぁと感じました。そして、製薬会社にとっての「お客様」は患者というより「医者」なのかなぁって…。会社なんだから当たり前なんだけど、やはりどこかがっかり感は否めないですよね…。

でもこうやって直接製薬会社に問い合わせるのっぽさんはさすがだと思いました。我々では知り得ない製薬会社の実態を垣間見ることが出来たのはのっぽさんのおかげですね!ありがとうございます。

No title
のらくろ0521
製薬会社ではないのですが…
自分は、かつて母のことで、PTEG(経皮経食道胃管挿入術)について調べる為に 某医療器具メーカーの営業部に電話で問い合わせたことがあります。
結果的には、そこで得られた情報を活かすことはできなかったのですが、とても有意義な情報を得ることができました。母の苦痛を少しでも和らげてあげたくて必死になってた時期でもあったので、電話口の向こうの営業マンの好意が、とても胸に染みました。
製薬会社と医療器具会社の違いはあるのでしょうが、 どちらも医療に直接的に関わる産業です。
親切を旨としてほしいものですね。

どのレベルの差なのでしょうか。
のっぽ187
のらくろ0521さん

そうだったのですね。
個人レベルの差なのか、企業レベルの差なのか、業界レベル(製薬会社と医療機器会社)の差なのか、どうなのでしょうね。個人的な印象では、どのレベルでも差があるのでは、と思います。

製薬会社は、医療機器会社に比べると、全般に硬直している印象を受けました。製薬会社は厚生労働省と絡んでいるからでしょうか。

製薬会社の光と影
のっぽ187
RainBowさん

>この記事を読んで、製薬会社もやはり利益が大事なんだなぁと感じました。

製薬会社の利益追求に対する姿勢は、会社だから仕方ないのかも知れませんが、正直、医者をしていた頃から辟易していました。精神科領域では、2000年代の前半にイギリスやアメリカで問題になっていました。

>製薬会社にとっての「お客様」は患者というより「医者」なのかなぁって…。

半分は、そうだと思います。医者をしていた当時は、余るほどカレンダーをもらっていましたし。ただ、「この人達は、どこを向いて仕事をしているのだろう。」とは、よく思いました。

>会社なんだから当たり前なんだけど、やはりどこかがっかり感は否めないですよね…。

そうですね。どの企業にも企業倫理というものがあると思うのですが、どうなっているのだろう、と思います。
利潤を追求することは会社として当然だと思います。しかし、「取り尽す」ことは、どんな物事においても良くないと思いますし、儲けを還元するという概念が多少はあっても良いかな、と思います。

>でもこうやって直接製薬会社に問い合わせるのっぽさんはさすがだと思いました。

有難うございます。褒められると、やはり嬉しいものですね。

>我々では知り得ない製薬会社の実態を垣間見ることが出来たのはのっぽさんのおかげですね!ありがとうございます。

いえいえ、どう致しまして。ただ、イギリスやアメリカにおける状況を見ている限りでは、製薬会社はかなり無茶をしているように思うので(勤めている人、一人一人は善良な人も結構多いのではないか、と思う)、注意を喚起する意味もあって、記事にしました。

医療用医薬品
あきら
製薬メーカーのお客は間違いなく医師ですよ。
病院の処方薬のほとんどが医師の指示がないとこの世で処方されないから・・・・
ネットで情報が入手しやすい分患者も知るようになりましたが、薬事法で医療用医薬品は病院関係者以外に販売・情報提供活動には制限されているので、また、製薬メーカーが医師の診療の邪魔をしたと思われたくないからでしょう。


そうですね。
のっぽ187
あきらさん

なるほど、そうですね。

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コメント
この記事へのコメント
No title
こんばんは。
私も似たような経験がありますよ。
気になることがあればメーカーさんに電話をしたりしていましたが、自分が知りたい情報を知ることが出来ないことが多かったです。患者に情報を提供しないことの方が不安を与えるのではないかと思うのですが…

てか、薬価が高すぎですね…。
たしかに、どうやって薬価を決めているのか知りたいです。

電話は丁寧に対応するように私も心がけます。
2009/01/23(Fri) 23:03 | URL  | とも #-[ 編集]
No title
製薬会社は患者は患者の方を向かずに,認可や薬を仕入れてくれる方を向いている印象を持ちました。このような姿勢では副作用の少ない良薬の開発は遅々として進まないような気がして残念です。
2009/01/23(Fri) 23:25 | URL  | anjazz #AZXm.WLo[ 編集]
メーカーさんは・・・。
こんばんは

>気になることがあればメーカーさんに電話をしたりしていましたが、自分が知りたい情報を知ることが出来ないことが多かったです。

精神科医をしていた頃から、「肝心なことは言わないなあ、この人達は。」と思っていました。

>患者に情報を提供しないことの方が不安を与えるのではないかと思うのですが…

「患者が混乱するといけないから。」は、失言だと思います。ともさんが指摘される通りだと思います。

薬価は、僕も高過ぎだと思います。ほんと、どうやって薬価って決めているのでしょう。先に、その薬を使っている国と同じくらいの薬価にしているのでしょうか。

>電話は丁寧に対応するように私も心がけます。

きっと、ともさんは丁寧に対応されていると思います。
2009/01/23(Fri) 23:33 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
製薬会社の姿勢
anjazzさん

>製薬会社は患者の方を向かずに,認可や薬を仕入れてくれる方を向いている印象を持ちました。

全くもって同感です。

>このような姿勢では副作用の少ない良薬の開発は遅々として進まないような気がして残念です。

そうですね。それに既存の薬(エルプラット、 カンプトをヤクルト本社は出している)について、少ない量で効果があったという報告をしたがらないのではないか(そんな報告をしたら、売り上げが落ちてしまう)、と勘繰ってしまいます。
2009/01/24(Sat) 00:46 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
この記事を読んで、製薬会社もやはり利益が大事なんだなぁと感じました。そして、製薬会社にとっての「お客様」は患者というより「医者」なのかなぁって…。会社なんだから当たり前なんだけど、やはりどこかがっかり感は否めないですよね…。

でもこうやって直接製薬会社に問い合わせるのっぽさんはさすがだと思いました。我々では知り得ない製薬会社の実態を垣間見ることが出来たのはのっぽさんのおかげですね!ありがとうございます。
2009/01/24(Sat) 14:06 | URL  | RainBow #-[ 編集]
No title
製薬会社ではないのですが…
自分は、かつて母のことで、PTEG(経皮経食道胃管挿入術)について調べる為に 某医療器具メーカーの営業部に電話で問い合わせたことがあります。
結果的には、そこで得られた情報を活かすことはできなかったのですが、とても有意義な情報を得ることができました。母の苦痛を少しでも和らげてあげたくて必死になってた時期でもあったので、電話口の向こうの営業マンの好意が、とても胸に染みました。
製薬会社と医療器具会社の違いはあるのでしょうが、 どちらも医療に直接的に関わる産業です。
親切を旨としてほしいものですね。
2009/01/24(Sat) 17:21 | URL  | のらくろ0521 #-[ 編集]
どのレベルの差なのでしょうか。
のらくろ0521さん

そうだったのですね。
個人レベルの差なのか、企業レベルの差なのか、業界レベル(製薬会社と医療機器会社)の差なのか、どうなのでしょうね。個人的な印象では、どのレベルでも差があるのでは、と思います。

製薬会社は、医療機器会社に比べると、全般に硬直している印象を受けました。製薬会社は厚生労働省と絡んでいるからでしょうか。
2009/01/25(Sun) 11:48 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
製薬会社の光と影
RainBowさん

>この記事を読んで、製薬会社もやはり利益が大事なんだなぁと感じました。

製薬会社の利益追求に対する姿勢は、会社だから仕方ないのかも知れませんが、正直、医者をしていた頃から辟易していました。精神科領域では、2000年代の前半にイギリスやアメリカで問題になっていました。

>製薬会社にとっての「お客様」は患者というより「医者」なのかなぁって…。

半分は、そうだと思います。医者をしていた当時は、余るほどカレンダーをもらっていましたし。ただ、「この人達は、どこを向いて仕事をしているのだろう。」とは、よく思いました。

>会社なんだから当たり前なんだけど、やはりどこかがっかり感は否めないですよね…。

そうですね。どの企業にも企業倫理というものがあると思うのですが、どうなっているのだろう、と思います。
利潤を追求することは会社として当然だと思います。しかし、「取り尽す」ことは、どんな物事においても良くないと思いますし、儲けを還元するという概念が多少はあっても良いかな、と思います。

>でもこうやって直接製薬会社に問い合わせるのっぽさんはさすがだと思いました。

有難うございます。褒められると、やはり嬉しいものですね。

>我々では知り得ない製薬会社の実態を垣間見ることが出来たのはのっぽさんのおかげですね!ありがとうございます。

いえいえ、どう致しまして。ただ、イギリスやアメリカにおける状況を見ている限りでは、製薬会社はかなり無茶をしているように思うので(勤めている人、一人一人は善良な人も結構多いのではないか、と思う)、注意を喚起する意味もあって、記事にしました。
2009/01/25(Sun) 12:26 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
医療用医薬品
製薬メーカーのお客は間違いなく医師ですよ。
病院の処方薬のほとんどが医師の指示がないとこの世で処方されないから・・・・
ネットで情報が入手しやすい分患者も知るようになりましたが、薬事法で医療用医薬品は病院関係者以外に販売・情報提供活動には制限されているので、また、製薬メーカーが医師の診療の邪魔をしたと思われたくないからでしょう。
2011/05/07(Sat) 07:56 | URL  | あきら #JalddpaA[ 編集]
そうですね。
あきらさん

なるほど、そうですね。
2011/05/09(Mon) 23:28 | URL  | のっぽ187 #-[ 編集]
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