癌との共存を目指しています。
新刊・近藤誠『抗がん剤は効かない』を読んだ。(本を読んだのではなく、ブログの記事を読んだ。)

僕の理解は、こうだ。

生存期間の中央値(101人中、51番目に亡くなった人が、どれだけの期間、生きたか)が、無治療群と比較して、12ヶ月、長かったとする。これは、「集団レベルで見た場合、この抗癌剤治療が、生存期間の中央値を延ばした。」と、とらえる事が出来る。

しかし、自分が、この治療を受けて、生存期間が延びるかどうかは、分からない。ただ、「真ん中位の治療成績の人を見ると、生存期間が延びているので、この薬は、生存期間を延ばす事に関して、きっとプラスに働いているのだろう。なら、受けてみよう。」と、僕なら考えるだろう。

厳密に言うと、抗癌剤治療群の51番目に亡くなった人と無治療群で51番目に亡くなった人は別の人なので、この結果から、「生存期間が延びた。」と言い切る事は出来ない。

しかし、一人の人が、二種類の治療を受ける事は出来ないので、その人にとって、当該治療が有益なのかどうかは、永遠に謎だ。(僕は、FOLFOXが効いて、今の状態が得られているのか、実は、何もしなくても、今の状態に至っていたのか、厳密には、確認の仕様がない。)

ただ、そんな事を言っていたのでは、埒(らち)が明かないので、集団レベルで比較し、それを参考に選んでいると言う事だ。少なくとも、僕は、そう理解している。

こうやって、書いていると、僕らは、それ程、明確に根拠がない物に、かなり重みを付けて、捉えている、判断の材料にしていると思った。

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【2011/05/23 23:23】 | 思ったこと
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わかりました
mimi
抗がん剤の論争、気になってよんでいたのですが、よくわからなかったのです。
私は、手術したもののそのまま閉じられて、内科で、抗がん剤2剤と放射線治療を受けました。実験的治療ということでしたが、放射線量が多いと言われました。
しかし、その後、主治医の論文をインターネット上で見つけました。抗がん剤の組み合わせにより、A郡とB郡に分けて投与したところ、B郡の方が再発までの期間が長かったというものでした。私は、A郡で、1年ほどで再発しました。標準治療を確立することを目的としてたとわかりました。激しい副作用に苦しんだのにと、複雑な思いがあったのです。
しかし、のっぽ先生のことばでなんとなくですが、納得しました。これからは、自分で治療方法を理解してから受け入れたいです。

とても難しい事だと思うのですが。
のっぽ187
mimiさん

この比較試験が終わるまで、少なくとも、ある程度、進むまでは、A群とB群のどちらが良いか、と言うのは、分からなかったのではないか、と思います。(分からないから、比較試験が行われたんだ、と思います。)

厳しい状況にある人が、従来の治療メニューで臨むか(それこそ、生存期間の中央値が○○ヶ月、延びたと報告されている)、比較試験に参加し、+αに期待するか(その比較試験が行われた結果、従来の治療に比べて、生存期間の中央値が、更に○○ヶ月、延びた、という結果が出る事を期待するか)、の判断は、とても難しいと思います。

>これからは、自分で治療方法を理解してから受け入れたいです。

とても難しい事だと思うのですが、そうする方が、きっと良い(少なくとも、後悔しない)、と思います。

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最近(と言っても、もう何ヶ月も経つが)、喉がよく渇く。僕は、大腸を全部、取っているので、それが原因だろう。

「からだの地図帳」(下に示した本です)を見ると、口から摂った水分のうち、大腸で15%、吸収されると言う。(多分、15%と書いていたと思う。職場で読んだ。)

大腸で15%、吸収されると言う事は、小腸で84,5%、吸収されると言う事だから(普通の人は、摂った水分のうち、99%以上が小腸、大腸で吸収されるだろうから)、僕が200ml、お茶を飲んだら、170mlは吸収されて、30mlは、便と一緒に出ていると想像される。

一番、近い所では、4月11日に通院先の病院で採血を受けている。この時の結果は、BUN(尿素窒素) 20(参考値、8~20) クレアチニン 0.78(参考値、0.30~0.90)だった。

BUN/クレアチニン>20だと、脱水と診断出来るので(本当は、白血球の値や血色素量も見るべきだろうけど、通常は、これでOKだと思う)、4月11日、午前11時の時点で、僕は脱水だったと言う事になる。なお、この日は、午前9時30分に朝食を済ませている。

脱水の程度を簡単に評価するには、脈を計るという方法がある。今、計ると、66回/分だった。脱水になると、循環する血液の量が減り、それを心拍数でカバーしようとするので、脈が速くなるという理屈だ。脈拍は、60~100回/分が正常範囲だったと思う。なお、50回代/分は、特に問題がない、と僕は考えている。

脈拍から考えると、問題がない、と言う事になる。

研修医レベルの知識で、ブログ上で、自分が脱水かどうかを判断するのは、少し恥ずかしいが(一応、この仕事も10年は、しているし)、喉の渇きを感じている時には、軽い脱水は、あるんだ、と思う。

水分を摂り過ぎると、便が水様になり、トイレが近くなるので、ついつい、水分の摂取を控えてしまうのだが、そう言った事を恐れることなく、よく水分を摂るようにしたいと思う。

●●●

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【2011/05/21 23:56】 | 自分の体
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aki
>喉の渇きを感じている時には、軽い脱水は、ある
のでその時点で水分補給、とヘルパー講習で聞きました。特に高齢者は
喉の渇きにも鈍くなるので、食事・おやつ・風呂上がりは必ず水分補給、と。

父が言うには、同じ量でも数回に分けて飲む方がトイレの回数が減るらしく
渇きを感じない程度に、少しずつを何回も飲むのがいいそうです。
(本人が自分で実験したと言ってました…)

これから暑くなりますし、血液濃度も濃くならないように水分補給にしたいですね。
そういえば脱水症状にはポカリスエットですが、点滴輸液を口からとれるようにということで開発されたそうですね。スポーツ飲料用に作られたと思ってました。


のっぽ187
akiさん

>父が言うには、同じ量でも数回に分けて飲む方がトイレの回数が減るらしく、渇きを感じない程度に、少しずつを何回も飲むのがいいそうです。

小腸(普通の人は、小腸+大腸)からの吸収は、一度に出来る量は限られていると思うので、例えば、一度に500ml飲むよりは、125mlずつ4回に分けて飲む方が、たくさん吸収されると思います。

お水が美味しい所に住んでいるので、風呂上りに水道水を手で一掬いして飲んだ後、寝る事もあります。(お茶を沸かすのが面倒臭いので。)

>そういえば脱水症状にはポカリスエットですが、点滴輸液を口からとれるようにということで開発されたそうですね。

僕も、そう聞いています。

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今日は、抗癌剤の至適用量について思う所を少し。

僕が、以前、投与されていたFOLFOXに含まれるオキサリプラチンは、体表面積1m2当たり85mg/回だったと思う。これは、「この量で行われた比較試験で効果があった、だから、この量で行きますよ。」という意味である。

ただ、患者には生活があるので(FOLFOXを外来で投与するというのは、そう言う事だろう)、電車に乗っている時に立っていられない位、しんどい、だとか、外出も出来ない、だとか、と言うのは、本当は、まずい、と思う。

とある病院は、外来で化学療法を受ける患者さんに「車を運転して来ないように。」と指導していると聞いた事があるが、それなら、投与後は、電車で帰れる位の状態であるべきだろう。

化学療法を通院で行いたい、というのは、厚生労働省の意向だと、僕は理解している。(その方が、医療費が掛からない。)

また、比較試験で出た結果通りの投与量で投与したい、というのは、医者の意向だろう。根拠なく、少ない目の量を投与して、効きが悪かったら、「なんで、そんな事、したんや。」と言われた時、返す言葉がない。

しかし、患者としては、ふらふらで外出も出来ないような日が何日も続くようでは、困る。例えば、転居の際、本人が出向かないと手続きが進まない事がある。こちら(大阪府)に戻って来た時、それで、結構、困った。

ここからは、僕の価値観だが、抗癌剤治療は、本来、患者のために行っている物だから、国が貧乏で、入院出来ないと言うのであれば、自宅で生活出来るような量で、投与を行っていくのが筋だろう。少なくとも、患者の判断力が失われない程度にコントロールするべきだろう。(余りに、しんどいと、何もかも、どうでも良くなる。)

自戒を込めて(僕もエビデンスに囚われた診療を結構、してしまう)、記事にまとめた。

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【2011/05/19 00:27】 | 思ったこと
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抗がん剤の量について
Sho
臨床試験に基づいた抗がん剤投与について誤解が多いのは、初回投与量は基本守るべきでも、2回目以降は本人に自覚症状により減量を推奨していることです。つまりgrade3(重度の)全身倦怠感があると考えられた場合はレベル-1減量することになっており、そのほかにも担当医の判断によって減量することも常識になっています。問題は患者さん側が減量希望を担当医に相談しないことで、それは今の体調や腫瘍の状況を加味した上でないとうまくいきません。
初回投与量にこだわることになってきたのはガイドラインなどの普及による良い面ですが、減量についてのノウハウは未だ普及が不十分です。むしろ患者さん側が主治医を突き上げるべきでしょう。
臨床試験も試験治療中止の理由として有害事象を伴わない患者拒否項目が思いの外多いのですが、ようは嫌気がさしてやめるわけです。
単なる身体的副作用の重症度よりそれにより間接的な医療意欲の低下に対しては臨床試験以上に実臨床では十分な対策が練られておられないと思います。
つまり日常生活を犠牲にしてまで減量しない価値のある治癒可能な抗がん剤治療が固形がんに関してはほとんどないのです。

とても得るところの多いコメントでした。有難うございます。
のっぽ187
Shoさん

>2回目以降は本人に自覚症状により減量を推奨していることです。

推奨しているのですね。知らなかったです。(僕が不勉強なだけですが。)

>問題は患者さん側が減量希望を担当医に相談しないことで、それは今の体調や腫瘍の状況を加味した上でないとうまくいきません。

休職して、患者としてのみ過ごしていた2008年(FOLFOXを受けていた頃)、主治医に、食事が十分、取れない事、下痢が酷い事を、繰り返し伝えていたのですが、主治医は、なるべく、その時の量を保ちたい(減量したくない)と思っているように見えました。

ただ、最近、患者さんに「しんどい。集中出来ない。」と言われ(しんどいのは、ハロペリドールの副作用か幻聴のせいなのか、はっきりしない)、「鬱陶しいなあ。」と思い(口には出さなかったけれど、そんな顔をしていたと思います)、「じゃあ、(ハロペリドールの量、)どうされますか。」などと意地悪な事を言ってしまいました。(ハロペリドールの副作用なら、量を減らすべきだし、幻聴でしんどいのなら、量を増やすべきでした。)

治療が上手く行かないと、患者さんは何も悪くないのに、つい嫌な顔をしてしまう。ふと、3年前の事を思い出し、複雑な気分になりました。

>臨床試験も試験治療中止の理由として有害事象を伴わない患者拒否項目が思いの外多いのですが

悲しい事ですね。

>つまり日常生活を犠牲にしてまで減量しない価値のある治癒可能な抗がん剤治療が固形がんに関してはほとんどないのです。

プロにそう言われて、正直、ほっとしました。

FOLFOXのしんどさは、常軌を逸していたと思うのですが、比較試験が、この量で行われている事から、「僕が特に副作用が出易いのか。」などと、当時、あれこれと考えていました。

ごぶさたしています
緑緑*ryuryu
以前副作用がひどいと訴えたら「減薬する?」「でもそうすると効果がねぇ」と言われて怖くてできなかったことがあります。
最もFOLFOXは私は2回目から減薬していたのですが。

今回はもう最初から減薬スタートです。
とは言えあいかわらず数日ダウンしているので、もっと減らしてもいいのかなぁ………

>治療が上手く行かないと、患者さんは何も悪くないのに、つい嫌な顔をしてしまう。

やはり先生の方もそうですよね。
悪い検査結果が出たときに、主治医に「がっかり」という顔をされてしまい、あぁ……と申し訳なく思ってしまいました。

こちらこそ、ご無沙汰しています。
のっぽ187
緑緑*ryuryuさん

こちらこそ、ご無沙汰しています。

>以前副作用がひどいと訴えたら「減薬する?」「でもそうすると効果がねぇ」と言われて怖くてできなかったことがあります。

僕も、減らすと、効果が落ちる、と主治医に言われた事があります。

これは、当然の事なのですが、よく考えてみると、「基本的な設定自体に無理があるのではないか。」と思うようになりました。

>悪い検査結果が出たときに、主治医に「がっかり」という顔をされてしまい、あぁ……と申し訳なく思ってしまいました。

緑緑*ryuryuさん、いい人ですね。

(僕が診ている)患者さんも、そう思っているのかな。

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体調は良く、普通に生活している。お腹が張るのと、トイレが近い以外は、昔と変わらない感じだ。体重が軽くなった分だけ(多分、65kg位だろう)、体が軽くなった。

受け持ちの患者さんを診て、年金の診断書を書いて・・・のんびりした生活を送っている。

世の中では、色んな事が起きている様だが、僕は、それらに余り付いて行けていない。

それで、いいんだ、と思う。

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【2011/05/16 03:24】 | 日記
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患者さんと共にあるということ
カノン
たぶん、のっぽ先生のブログファンの皆さまは、のっぽ先生のご負担を気遣って、書き込みを控えていらっしゃると思われますが、そこを強行突破してみようか、と思います(笑)。

今月は、関与しております精神科病院の申告書を提出する月で、一年分の内容と数字を見直しているのですが、精神科の先生は、いろいろな書類を書いていらっしゃるなあ、と改めて思います。
年金用をはじめ、成年後見用や保護者選任申立書、自立支援意見書、介護保険意見書などなど、多岐にわたります。

世の中は、めまぐるしく変化していて、ついていけない分野が、日ごとに増えていく感じです。
ただ、のっぽ先生のお仕事は、弱い立場にある方々を支えるお仕事で、社会的弱者と言われる方々と共にいることで、この国の本質というものが、見えていらっしゃるのかもしれません。
のっぽ先生が仰いますように、おそらく、変化についていくことより、本質を見ることのほうが、生きて行く上で、大事なのだろうなあ、と思います。

ところで、ドクターの白衣というのは、なかなか便利なのではないでしょうか。
以前、お腹が張ることで、穿けるズボンが限られてくる、と書いていらっしゃったかと思うのですが、ウエストがゆるいゴムでも、ホックやボタンをはずしていらしても、白衣が隠してくれるという意味で、なかなかのスグレモノだ、と思います。

ある患者さんについての思い出
のっぽ187
カノンさん

>年金用をはじめ、成年後見用や保護者選任申立書、自立支援意見書、介護保険意見書などなど、多岐にわたります。

入院している患者さんが高齢化している事もあり、介護保険の意見書を書く事が多いですね。

数年前に、外来で診ていた患者さんが再発し、入院しました。(入院に同意されていました。)

入院後、病状が悪化し、保護室を使わざるを得なくなりました。保護室に入って頂いたのですが、(先生を信頼して、入院したのに、)どうして、こんな所に入れられるのか、と言われました。

その通りだ、と思い、返事が出来ずにいると、その方が、「先生、年金の診断書、お願いします。」と言われました。

「この人が食べて行くには(そう言えば、この方、奥さんも、いらっしゃいました)、障害年金が必要で、僕の診断書が要るんだ。こんなに具合が悪いのに、年金の診断書の事が、パッと出て来て。」と考えると、胸が熱くなりました。

仕事柄、社会的に弱い立場にいる人を診る事が多いので、世の中の造りについては、これまでも、時々考える機会があったのですが、自分が患者の立場になってからは、その事をより深く考えるようになりました。

僕は、もともと、新しい物に付いて行くのは、得意でないのですが、物事の本質について考えるのは、昔から好きでした。

だから、自分の性に合った生き方をしよう、その方が少なくとも気持ち良く生きられる、と言う事なのですが、物事の本質について知るようになると、楽になれるようです。

白衣は、体型を隠してくれるので、とても便利です。

とは言え、昨年の1月に買ったズボンが、ゆるゆるで、最近は、食後のお腹の張りも然る事ながら、「先生、食べてる?」「大丈夫?」と聞かれる事が増えました。ちゃんと食べているのですが。

顔の感じから、そう言われるのかも知れません。

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変わりなく、過ごしています。

仕事、睡眠、食事、ぼーっとする(瞑想したり、ただただ、ぼーっとしたり)、の順で、時間を取っています。

なかなか、ブログを書くところまで辿り着けないです。ご容赦下さい。

ブログの返事についても、同様です。こちらの方も、ご容赦ください。

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【2011/05/09 23:08】 | 日記
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